The previous night of the world revolution5~R.D.~

見ているだけで、こんなに恐ろしい戦いがあるだろうか。

手に汗握る、とはこのことだ。

加勢に入りたいが、その隙すら見つけられない。

あの、見るからに重そうな重量系の武器を、何故あそこまで素早く扱えるのだ。

まるで、ルレイアのようだ。

ルリシヤは、持ち前の手先の器用さで、激しい敵の打ち込みをナイフでいなしているが。

それもいつまで持つのかと、ハラハラして仕方なかった。

あんな重い刃を、細いナイフでいつまで持ちこたえられるのか…。

そして。

あまりにもあっさりと、そのときがやって来た。

一体何十の刃を受け止めたのか。

ルリシヤの左手のナイフが、パキッ、と音を立てて折れた。

「…!」

俺は咄嗟に動きかけたが、ルリシヤはそれすらも想定内だった。

迫る狐面の男に、ルリシヤはずっと使っていなかった右手の拳銃を向けた。

しかし。

「…っ」

放たれた弾丸は、両剣の上刃に弾かれた。

そして、返す下刃が、避けきれなかったルリシヤの肩を掠めた。

辺りに舞った血飛沫に、俺は一瞬で頭が沸騰した。

だが、その前に。

「!」

狐面の男が、ハッとして後ろを向き、両剣を振るった。

金属が弾けるような音がした。

アリューシャの狙撃を、両剣の刃で弾いたのだ。

ルリシヤの肩から血飛沫が舞ったのを見て、すぐに撃ったのだろう。

その弾丸は弾かれたが。

しかし。

「チェックメイトだ」

「…!」

ルリシヤ相手に、一瞬でも隙を晒したのが、運の尽き。

ルリシヤは片手を床につき、足を振り上げ。

踵に仕込んだスタンガンを、敵の左手にぶつけた。

バチンッ!と激しい音がした。