The previous night of the world revolution5~R.D.~

『その代わり、こちらも何かあったらすぐ動く。アリューシャ、ルリシヤが危ないと思ったら、すぐ撃って』

『あいよ。麻酔弾で良いんだよね?』

『いや、実弾に替えてくれる?麻酔弾じゃ、効くまでに数秒かかる』

その僅か数秒の間に、何が起こるか分からない。

『足を狙って。どっちの足でも良いから』

『りょ。装填し直しとく』

『お願いね』

更に。

『シュノ。そっちは大丈夫?動きはない?』

『何もないわ』

この男が尖兵で、本隊が周囲に潜んでいる、という訳でもないようだ。

ということは、本当に一人で飛び込んできたのか?

かつて同じことをしたルリシヤが、今度はその侵入者を一人で相手取ろうとしているのだから、皮肉な話だ。

『分かった。くれぐれも警戒して』

『えぇ。ネズミ一匹通さないわ』

…頼もしい限りだ。

そして。

『ルルシーは、私の指示があるまで待機。良い?突っ走らないでよ。ルレイアじゃないんだから』

「…分かったよ」

ルレイアは止めても止まらないが、俺なら止めれば止まるってか?

だが、俺にだって限界はあるぞ。

目の前でルリシヤが斬られたら、俺だって動かずにはいられないだろう。

すると。

狐面の男が、一瞬にしてルリシヤに距離を詰めた。

「!」

速い。

かろうじて動きは追えたが、それも普段のルレイアの超スピードに慣れているからだ。

そうでなければ、とてもあんな動きは追えない。

ルリシヤは、特に狼狽えることもなく、ナイフで両剣を止めたが。

俺は、内心肝が冷えた。

あんな速度、ルリシヤでなければ、今頃首を跳ねられていてもおかしくなかった。

「今のを止めるとは…。『青薔薇連合会』の幹部、さすがです」

「そうだろう?もっと褒めてくれて良いぞ」

煽っていくルリシヤ。

やめろ、煽って良い相手じゃない。

「ところで、あなた一人で良いんですか?」

「うん?」

「後ろで控えてる女幹部や、そこにいるスナイパーを使わなくて良いんですか、って聞いてるんです」

「…!」

狐面の男は、アリューシャが待機している狙撃ポイントを指差した。

…こいつ。

シュノが後ろで控えてること…アリューシャが狙撃ポイントについてること…全部知った上で。

「…成程。舐めてかかって良い相手じゃない、ということだな」

ルリシヤが、本気になったのが分かった。