The previous night of the world revolution5~R.D.~

そして。

「…お前…」

俺は、その狐面の男の前に歩み出ようとした。

こいつが俺のルレイアに、何の用があるのか知らないが。

武器を向けてきている以上、敵意があると思って良い。

ルレイアに手を出そうとしているのなら、俺が…。

しかし。

「下がっててくれ、ルルシー先輩」

「ルリシヤ…!」

俺を押し戻すように、ルリシヤが前に出た。

「待て、俺が」

「駄目だ。ルルシー先輩は、ルレイア先輩のこととなると、すぐ頭に血が上る。建設的な話が出来るとは思えない」

「ぐっ…!」

厳しい言葉だが、その通りだ。

ルレイアが絡んでいるとなれば、俺は冷静ではいられない。

シェルドニアの一件で、痛いほど思い知らされた。

ちょっとでもルレイアのことで煽られたら、拳銃を向けてしまうだろう。

だからさっき、それを見越したアイズが、わざわざルリシヤに指示したのか…。

悔しいが、ルリシヤに任せて引き下がるしかなかった。

勿論、あの侵入者がルリシヤに剣を向けるなら、応戦するつもりだ。

ルリシヤは、恐れることなく包囲網の真ん中に歩み出た。

相対する、仮面の二人。

笑えない話だ。

「ようこそ、『青薔薇連合会』に。見たところ、大層俺と趣味の合いそうな格好をしているようだが」

ルリシヤは、大袈裟に手を広げて挨拶した。

これも、勿論パフォーマンスだ。

「それに、相当な腕の持ち主とも見受ける。実に気が合いそうだ。そんな物騒なものは下ろして、紅茶でも飲みながら仮面談義でもしないか?」

「…あなた、ルリシヤ・クロータスですね」

狐面の男が、初めて口を開いた。

…ルリシヤの名前を知っている。

ルリシヤは、六人いる幹部組の中では、一番若く、そして幹部に入って日が浅い。

それなのに、名前を知られているということは。

それなりの情報網を持っている、と考えて良い。

ますます、見過ごせない。

こいつ、ルレイアに何の用だ…。

「俺を知っているとは。それは光栄だな」

名前を知られていたことにも動揺せず、ルリシヤはそう言った。

「ルレイア・ティシェリーは?」

あくまで目的は、ルレイアか。

「悪いが、生憎ルレイア先輩は留守でな。彼に何か用でも?」

「いえ、ちょっと…。かの死神と、一戦交えさせてもらいたいと思いまして」

俺の拳銃を握る手に、力がこもった。

…この男。

ルレイアの命を狙って…!

『…ルルシー。まだ動かないでよ』

俺の内心を見透かしたように、アイズがすかさず指示した。

…くそっ。

「そういうことだったか。なら、不肖このルリシヤ・クロータスが、お相手仕ろう」

…何だと?

ルリシヤ、お前…何を。