The previous night of the world revolution5~R.D.~

「それ、種はどうなってるんだ?」

「無粋だな、ルルシー先輩…。マジックの種明かしを希望するとは」

いや、だって気になるだろ?

皆も気になるだろ?

それどうやったの?みたいな。

「まぁ良い。大したことはしてないぞ」

「…?」

ルリシヤは、持っていたトランプのカードを、全部裏返した。

「元々このトランプ、全部ハートのエースだから」

ずっこけた。

「くっ…だらねぇ…!」

こんなもんに、一瞬でも騙された自分が馬鹿らしい。

マジックの種明かしなんて、実際こんなもんだ。

どれ引いても、結局全部ハートのエースなのかよ。

しかし。

「うひょほぉぉ!何それ面白そう!アリューシャもやりたい!」

「良いぞ、アリューシャ先輩。貸してあげよう」

「やったー!はい、アイ公。好きなの引いて」

おい、アイズでやるのかよ。

今種明かししただろ。

しかし。

「んー、じゃあこれね」

付き合ってあげるアイズ。さすがは保護者。

種の分かっているマジックほど、つまらないものはないだろうに。

付き合ってあげるのかお前は。優しいな。

「じゃあこれにー、アリューシャがアリューシャマジックをかけて…」

シャッフルしようとするが、下手くそなので、パラパラカードが落ちてる。

おいおい、マジシャン。見えてる。種全部見えてるぞ。

シャッフル下手くそ過ぎだろ。

「はいっ!アイ公が選んだのは…ハートのエースだな!?」

「わー。当たりだよ。凄いねぇアリューシャ」

「だろ!?やべぇこれマジやべぇ!楽しい!」

何の茶番だ。

あぁ、頭が痛い…。

眉間に酔った皺を指で撫でていると、何を勘違いしたのか、シュノが。

「ルルシー?ルレイアがいないから寂しいの?」

違う。そうじゃない。

アリューシャに呆れてるだけだ。

「分かるわ。私もルレイアいなくて、寂しいもの。早く帰ってきてくれると良いね」

「シュノ…」

なんか、もう訂正する気にもなれない。

良いや、もう…。諦めよう。

それより俺は仕事を、と。

思った、そのときだった。

「ルルシーさん!すぐに来てください!」

部下の一人が、息を切らせて俺の部屋に飛び込んできた。