ルヴィアにも、ルヴィアの嫁の方にも、お互い悪意がある訳ではないだけに。
どう慰めて良いものか分からない。
嫁は嫁で、嘘をつかれていたことに苛立っているのだろうし。
ルヴィアはルヴィアで、嫁に心配をかけたくない一心。
どちらが悪い訳ではない。
「ま、まぁ…。元気出せ、ルヴィア…。誠意を持って謝れば、きっと許してくれるよ」
「ルルシーさん…」
希望を持って顔を上げるルヴィア。
良かった、ようやく気を取り直し、
「いや~分かりませんよ?今頃華弦さんと、『妻に嘘をつく夫のいる家になんて、もう帰りたくありません』『あらそう?じゃあうちに来る?』『えぇ、そうします』なんて、別居の相談をしてるかもしれません」
「ばっ…!ルレイア!」
そうだった。忘れてた。
こいつは、余計なことを言う天才だったんだ。
「それどころか、『もう愛想を尽かしたので、離婚も考えています』『分かりました。じゃあ良い弁護士を紹介しますよ』『本当ですか?ありがとうお姉ちゃん』なんて楽しそうに離婚相談を…もごもごもご」
とんでもないことを言い出すルレイアの口を、俺は全力で塞いだ。
お前、この馬鹿。
俺の部下を殺したいのか。
「そ、そんな…。離婚…離婚…り、こ…」
見ろ。離婚の二文字に、ルヴィアが震えている。
「落ち着けルヴィア。大丈夫だ。こんなの、ちょっとした夫婦喧嘩だ。謝ればきっと許してくれ、」
「…俺は嫁に捨てられ~た~…♪捨て犬~…。孤独なー…。生きてる価値もー…ない…」
虚ろな目で歌い始めてる。
やばいぞ。ルヴィアが死にかけてる。
「良いかルレイア、お前は黙ってろ」
「だって事実じゃないですか。華弦さん、妹さんのこと気に入ってるみたいだし。冴えない顔した夫より、仲良し姉妹で同居した方が楽し、もごもごもご」
「だ・ま・っ・て・よ・う・な、ルレイア…!」
こいつ、もう隣の409号室に叩き込め。
一人で歌わせとけ。
ルヴィアの傷口に、塩どころか毒を塗りつけてる。
「よ、嫁が…。嫁と離婚…離婚なんて…」
ぶるぶると身体を震わせるルヴィア。
「落ち着くんだ、良いか落ち着くんだルヴィア!お前達が仲良し夫婦だってことは、俺もよーく分かってるから」
この夫婦の惚気話は、もう耳にタコが出来るほどに聞いた。
そう簡単に離婚なんてするものか。
この夫婦に至っては、離婚の「り」の字も考えられない。
「心込めて謝れば、きっと許してくれるよ。な?元気出せって」
「…フューニャ…」
駄目だ。そんじょそこらの慰めじゃ、今のルヴィアには届かない。
それどころか。
「フューニャ…。フューニャ…。うへは、うばは▼↓○◇◆▽△●●@#」
「ルヴィア、正気に戻れ!」
「あはは!壊れた~♪」
「ルレイア、指差して笑うな!」
これは、本格的に何とかしないと不味いぞ。
有能な俺の部下が、腑抜けになってしまう。
どう慰めて良いものか分からない。
嫁は嫁で、嘘をつかれていたことに苛立っているのだろうし。
ルヴィアはルヴィアで、嫁に心配をかけたくない一心。
どちらが悪い訳ではない。
「ま、まぁ…。元気出せ、ルヴィア…。誠意を持って謝れば、きっと許してくれるよ」
「ルルシーさん…」
希望を持って顔を上げるルヴィア。
良かった、ようやく気を取り直し、
「いや~分かりませんよ?今頃華弦さんと、『妻に嘘をつく夫のいる家になんて、もう帰りたくありません』『あらそう?じゃあうちに来る?』『えぇ、そうします』なんて、別居の相談をしてるかもしれません」
「ばっ…!ルレイア!」
そうだった。忘れてた。
こいつは、余計なことを言う天才だったんだ。
「それどころか、『もう愛想を尽かしたので、離婚も考えています』『分かりました。じゃあ良い弁護士を紹介しますよ』『本当ですか?ありがとうお姉ちゃん』なんて楽しそうに離婚相談を…もごもごもご」
とんでもないことを言い出すルレイアの口を、俺は全力で塞いだ。
お前、この馬鹿。
俺の部下を殺したいのか。
「そ、そんな…。離婚…離婚…り、こ…」
見ろ。離婚の二文字に、ルヴィアが震えている。
「落ち着けルヴィア。大丈夫だ。こんなの、ちょっとした夫婦喧嘩だ。謝ればきっと許してくれ、」
「…俺は嫁に捨てられ~た~…♪捨て犬~…。孤独なー…。生きてる価値もー…ない…」
虚ろな目で歌い始めてる。
やばいぞ。ルヴィアが死にかけてる。
「良いかルレイア、お前は黙ってろ」
「だって事実じゃないですか。華弦さん、妹さんのこと気に入ってるみたいだし。冴えない顔した夫より、仲良し姉妹で同居した方が楽し、もごもごもご」
「だ・ま・っ・て・よ・う・な、ルレイア…!」
こいつ、もう隣の409号室に叩き込め。
一人で歌わせとけ。
ルヴィアの傷口に、塩どころか毒を塗りつけてる。
「よ、嫁が…。嫁と離婚…離婚なんて…」
ぶるぶると身体を震わせるルヴィア。
「落ち着くんだ、良いか落ち着くんだルヴィア!お前達が仲良し夫婦だってことは、俺もよーく分かってるから」
この夫婦の惚気話は、もう耳にタコが出来るほどに聞いた。
そう簡単に離婚なんてするものか。
この夫婦に至っては、離婚の「り」の字も考えられない。
「心込めて謝れば、きっと許してくれるよ。な?元気出せって」
「…フューニャ…」
駄目だ。そんじょそこらの慰めじゃ、今のルヴィアには届かない。
それどころか。
「フューニャ…。フューニャ…。うへは、うばは▼↓○◇◆▽△●●@#」
「ルヴィア、正気に戻れ!」
「あはは!壊れた~♪」
「ルレイア、指差して笑うな!」
これは、本格的に何とかしないと不味いぞ。
有能な俺の部下が、腑抜けになってしまう。


