10分後。
ようやく、ルヴィアは正気に戻った。
が、死ぬほど落ち込んでいた。
「俺はもう捨てられたんです…。俺に生きてる価値はないんです…」
「…」
駄目だ。完全に病んでる。
「へぇ~。それは気の毒ですねぇ」
それなのに、ルレイアは素知らぬ顔で、ルヴィアの注文したフライドポテトを、勝手に摘まんでいた。
こら。
「一体どうしたんだ?何があった?」
嫁関連だろ?どうせ。
お前がこんなになるということは、それ以外はな、
「どーせ、この度の抗争で『出張行ってくるだけ』とか嘘ついて、華弦さん経由でそれがバレて怒られたんでしょ。懲りないですね~あなたも」
「!」
ルヴィアは、雷に打たれたかのように硬直し。
そして、がくんっ、と項垂れた。
お、おいまさか。
「…そうなのか?ルヴィア…」
「だって…だって嫁に心配かけたくなくて…。それだけで…!」
…事実なのか。
ルレイア、お前は何故毎回、見てきたかのように分かるんだ。
「うぅ…。俺は、嫁を騙して…。でも悪気はなかったんだ…」
「そうか…」
気持ちは…分からないこともない。
『厭世の孤塔』は、いつものチンピラ集団とは違う。
非常に凶悪なマフィアであった。
あんな奴らを倒しに行くとなれば、嫁思いのルヴィアのこと、とてもではないが嫁には言えないだろう。
それで、嘘をついたんだ。
しかし、華弦経由でその嘘がバレ…。
で、今に至ると。
「それでお前…今日、追い出されたのか?」
「いえ…。嫁…お義姉さんと一緒に遊びに行きました…」
…そうか。
そりゃ、完全に見捨てられたな。
「本当は、ここで一緒にカラオケデートしようと思って…」
「…」
「家で一人でいたら、なんか嫁の幻覚が見え始めたので…」
「…」
「…幻覚と一緒に、カラオケに来ました」
…そうか。
お前、病院行け。
俺達が来なかったら、依然としてあの変な替え歌を歌っていたかと思うと、なかなかに寒気がするな。
「あはは。惨めにヒトカラ~♪ウケる~♪」
「こらっ、ルレイア」
追い討ちをかけるな。
良いだろヒトカラぐらい。今時普通だろ。
「うぅ…。フューニャ、フューニャごめんよ…」
「…」
惨めに啜り泣く、気の毒な俺の部下、ルヴィア。
何とかしてあげたいところだが、どうしたら良いものか…。
ようやく、ルヴィアは正気に戻った。
が、死ぬほど落ち込んでいた。
「俺はもう捨てられたんです…。俺に生きてる価値はないんです…」
「…」
駄目だ。完全に病んでる。
「へぇ~。それは気の毒ですねぇ」
それなのに、ルレイアは素知らぬ顔で、ルヴィアの注文したフライドポテトを、勝手に摘まんでいた。
こら。
「一体どうしたんだ?何があった?」
嫁関連だろ?どうせ。
お前がこんなになるということは、それ以外はな、
「どーせ、この度の抗争で『出張行ってくるだけ』とか嘘ついて、華弦さん経由でそれがバレて怒られたんでしょ。懲りないですね~あなたも」
「!」
ルヴィアは、雷に打たれたかのように硬直し。
そして、がくんっ、と項垂れた。
お、おいまさか。
「…そうなのか?ルヴィア…」
「だって…だって嫁に心配かけたくなくて…。それだけで…!」
…事実なのか。
ルレイア、お前は何故毎回、見てきたかのように分かるんだ。
「うぅ…。俺は、嫁を騙して…。でも悪気はなかったんだ…」
「そうか…」
気持ちは…分からないこともない。
『厭世の孤塔』は、いつものチンピラ集団とは違う。
非常に凶悪なマフィアであった。
あんな奴らを倒しに行くとなれば、嫁思いのルヴィアのこと、とてもではないが嫁には言えないだろう。
それで、嘘をついたんだ。
しかし、華弦経由でその嘘がバレ…。
で、今に至ると。
「それでお前…今日、追い出されたのか?」
「いえ…。嫁…お義姉さんと一緒に遊びに行きました…」
…そうか。
そりゃ、完全に見捨てられたな。
「本当は、ここで一緒にカラオケデートしようと思って…」
「…」
「家で一人でいたら、なんか嫁の幻覚が見え始めたので…」
「…」
「…幻覚と一緒に、カラオケに来ました」
…そうか。
お前、病院行け。
俺達が来なかったら、依然としてあの変な替え歌を歌っていたかと思うと、なかなかに寒気がするな。
「あはは。惨めにヒトカラ~♪ウケる~♪」
「こらっ、ルレイア」
追い討ちをかけるな。
良いだろヒトカラぐらい。今時普通だろ。
「うぅ…。フューニャ、フューニャごめんよ…」
「…」
惨めに啜り泣く、気の毒な俺の部下、ルヴィア。
何とかしてあげたいところだが、どうしたら良いものか…。


