帝国騎士団の方は、これでほぼ一件落着なんだけど。
『青薔薇連合会』の方は、そうもいかない。
『厭世の孤塔』の残党を、また数匹逃がしてしまったからである。
こりゃ後々、また面倒なことになるかもなぁ…と思っていたら。
これが、なんと意外な知らせを聞いた。
「え?『厭世の孤塔』の残党が?」
「うん。あの後、部下に脱出口の出口を辿って、足取りを追わせようと思ったんだけど…」
長い長い地下道を抜け、地上に辿り着いた先で。
ようやく一命を取り留めたと安心した、そこで。
何者かによって、惨殺されていたそうだ。
逃がしたと思っていた数匹の残党が、一人残らず。
「どういうことだ?帝国騎士団の差し向けか?」
「いえ、帝国騎士団は、『厭世の孤塔』には関与していないはず…」
それは、契約違反だ。
帝国騎士団は『天の光教』。
俺達が『厭世の孤塔』。
きちんと分業して、それぞれの役割を決めていたはずだ。
帝国騎士団が『厭世の孤塔』に刺客を差し向け、脱出口に待機させていたとは考えにくい。
つまり。
「…何者かがいたんでしょうね。我々の殴り込みをあらかじめ察知し、『厭世の孤塔』の残党が脱出口から出てくると踏んで、待機していた何者かが」
「…」
帝国騎士団でもない。
『青薔薇連合会』でもない、誰か。
「…もしそんな人物がいるのだとしたら、相当な実力があるな」
と、ルリシヤ。
そうだね。
俺達でも面倒臭いほどの相手なのだから。
数匹だったとはいえ、そこらのチンピラごときじゃ、奴らは倒せまい。
「回収した遺体を見たところ、鋭利な刃物で真っ二つにされてる」
「…ふーん…」
俺と同じ戦闘スタイルってことか。
「何者かは知りませんけど…。助かりましたね」
「そうだね」
これで、『厭世の孤塔』は残らず狩り尽くしたことになる。
一体どういう意図があって、俺達の代わりに『厭世の孤塔』の残党を狩ってくれたのかは知らないが…。
「…是非とも会ってみたいですね」
いや、会える気がする。
俺の、死神の勘が当たっていたらな。
『青薔薇連合会』の方は、そうもいかない。
『厭世の孤塔』の残党を、また数匹逃がしてしまったからである。
こりゃ後々、また面倒なことになるかもなぁ…と思っていたら。
これが、なんと意外な知らせを聞いた。
「え?『厭世の孤塔』の残党が?」
「うん。あの後、部下に脱出口の出口を辿って、足取りを追わせようと思ったんだけど…」
長い長い地下道を抜け、地上に辿り着いた先で。
ようやく一命を取り留めたと安心した、そこで。
何者かによって、惨殺されていたそうだ。
逃がしたと思っていた数匹の残党が、一人残らず。
「どういうことだ?帝国騎士団の差し向けか?」
「いえ、帝国騎士団は、『厭世の孤塔』には関与していないはず…」
それは、契約違反だ。
帝国騎士団は『天の光教』。
俺達が『厭世の孤塔』。
きちんと分業して、それぞれの役割を決めていたはずだ。
帝国騎士団が『厭世の孤塔』に刺客を差し向け、脱出口に待機させていたとは考えにくい。
つまり。
「…何者かがいたんでしょうね。我々の殴り込みをあらかじめ察知し、『厭世の孤塔』の残党が脱出口から出てくると踏んで、待機していた何者かが」
「…」
帝国騎士団でもない。
『青薔薇連合会』でもない、誰か。
「…もしそんな人物がいるのだとしたら、相当な実力があるな」
と、ルリシヤ。
そうだね。
俺達でも面倒臭いほどの相手なのだから。
数匹だったとはいえ、そこらのチンピラごときじゃ、奴らは倒せまい。
「回収した遺体を見たところ、鋭利な刃物で真っ二つにされてる」
「…ふーん…」
俺と同じ戦闘スタイルってことか。
「何者かは知りませんけど…。助かりましたね」
「そうだね」
これで、『厭世の孤塔』は残らず狩り尽くしたことになる。
一体どういう意図があって、俺達の代わりに『厭世の孤塔』の残党を狩ってくれたのかは知らないが…。
「…是非とも会ってみたいですね」
いや、会える気がする。
俺の、死神の勘が当たっていたらな。


