The previous night of the world revolution5~R.D.~

公平な、ルリシヤ式じゃんけんの結果。

トップバッターはルルシー、次にシュノさん、アリューシャ、アイズ、ルリシヤ、最後に俺という順番になった。

俺大トリだよ?やったね。

「それじゃ、ルルシーから行きましょう」

「…分かったよ。ほら。俺はこれだ」

そう言って、ルルシーはお洒落な紙袋を取り出した。

ほほう。これは何だろう。

「ルルシー、これは何?」

「ヴィンテージワインだ」

成程、そう来たか。

なかなか良いチョイス。さすがは俺のルルシー。

「おぉ…!良い奴じゃないですか、これ」

「結構奮発したからな」

箱から出して、銘柄を見せてもらう。

俺が経営している、会員限定高級風俗店でも出している銘柄だ。

しかも、それの年代物。

値段を言うと、ちょっと生々しいのだが。

地方のサラリーマンだったら、一本で年収が吹き飛びかねない額、とでも言っておこうか。

「ルルシー、そんなにワイン通でしたっけ?」

ルルシーもワインは飲むには飲むけど、こんなお高いヴィンテージワインに手を出すほど、ワインにこだわりがあるとは思ってなかった。

「ん?いや…。別に欲しいものなかったからな。それなら上等なワインでも買って、皆でワイワイ楽しむ方が良いかと思ってな」

「…!」

「ルレイアも、ワインは好きだろ?」

…ルルシー。あなたって人は。

愛しさと涎が溢れて、蕩けてしまいそうだ。

「ルルシー!しゅき!」

「うわっ、びっくりした。いきなりくっつくな!」

「じゃあ予告してくっつきます!今からくっつきますね!」

「いきなりじゃなければ良いとは言ってねぇよ!そもそもくっつくな!」

やだ。無理。

もうそんなこと言われたら、くっつかずにはいられないじゃないか。

ルルシーしゅき。

「良いワインだね、これ…。帝都でもなかなかお目にかかれないよ」

「そんなに凄いの?私、ワインにはあまり詳しくないけど…」

「ヴィンテージワインの中でも、一級品クラスだな」

アイズとシュノさん、ルリシヤは興味津々。

一方、アリューシャは。

「えぇ~?ワイン~?」

あまりピンと来てないらしい。

アリューシャ、お酒飲めないもんね。

飲めない人にとっては、いかにお高いワインだろうと、興味をそそられないのは当然だ。

しかし、そこは保護者アイズ。抜かりはない。

「大丈夫。これを飲むときは、アリューシャ用にぶどうカルピス用意してあげるから。一緒に飲もうね」

「やったぜ!ぶどうカルピス~♪」

あれ美味しいよね。

何対何で水割りするか、人によってこだわりも様々。

俺は薄めにするタイプ。