The previous night of the world revolution5~R.D.~

俺達は、ルチカ・ブランシェットを探して、最上階を目指した。

建物の中には、『天の光教』の信者達が、うじゃうじゃといた。

本来なら、投降を呼び掛け、平和的に連れ出すべきなのだろうが…。

爆弾が仕掛けられているのなら、そんな悠長なことはしていられない。

俺は部下達に指示して、『天の光教』の信者を見つけたら、全員無理矢理でも良いから外に連れ出させた。

素直に従う信者もいれば、刃物や拳銃を持って抵抗する信者もいた。

だが、所詮は訓練も受けたことのない、素人の集まりだった。

捕まえるのは容易かった。

「あの仮面幹部が、爆弾の解除に失敗したら…俺達も巻き添えだな」

「そうか?」

生き死にが懸かっているのに、オルタンスはこの呑気な返事。

お前、残機でもあんの?

「信じてるのか?解除してくれると」

「さぁ。失敗したらそのときはそのときだ。成功したときの為に、俺は前に進む」

お前もお前で、ちょっと良いこと言ってんじゃねぇよ。

俺が臆病者みたいじゃないか。

「それより…ここが、最上階のようだぞ」

「あぁ…」

まるで、教祖様はここにいますと言わんばかりに、へっぴり腰の護衛が二人、拳銃を構えていた。

おいおい。手が震えてるぞ。

こんな素人、俺達の敵ではない。

あっさりと取り押さえて、そして尋ねた。

「ルチカ・ブランシェットは何処にいる?この中か?」

「こ、この不信仰者共め…!神の怒りを受けろ…!」

はいはい、洗脳済みって訳ね。

さっさと部下に連れていかせ、俺達はその扉を開けた。

鍵は、かかっていなかった。

「…ようこそ、おいでくださいました」

ルチカ・ブランシェットは、まるで女王のようにゆったりと腰掛けて、俺達を待っていた。