The previous night of the world revolution5~R.D.~

私は、自分が間違ったことをしているとは、全く思っていなかった。

むしろ、自分の行いを誇りに思っていた。

私は神の代弁者として、正しいことをしている。

正しいことをしているのだから、誰にも責められるはずがない。

その証拠に。

デモを行うことで、より多くの信者が増えた。

景気が悪くなるにつれ、信者はどんどん増えていった。

私は幸せだった。

ここにいる人々は、私と同じ道、すなわち神の道に生きている。

彼らは私と同じように、神の愛に触れ、互いを愛し合っている。

信仰の中に生きている。

こんなに素晴らしいことがあるだろうか?

こんな素晴らしい人がもっともっと増えれば、きっとルティス帝国は、正しい国に変わるはずだ。

テレビをつければ、メディアは帝国騎士団を、そして王侯貴族達を責めていた。

新聞を開けば、競うように『天の光教』の正しさを讚美した記事が並んでいた。

そのことに、私は満足した。

この調子なら、きっと遠からず、女王は退位するだろう。

帝国騎士団は解散し、貴族達も一般市民として、私達と平等になる。

きっと最初は、わだかまりもあるだろう。

でも、心配はない。

神の愛は、いつだって平等だ。

誰もが同じ神の愛に触れ、互いを愛すれば。

隣にいる人が、自分と同じ人間なのだと気づくことが出来れば。

「自分さえ良ければ」なんて、利己的な考えを起こす者はいなくなる。

きっとそうなる。

そしてそんな国こそ、神が望まれる世の中のはずだ。

私はそう信じていた。

私は何も間違ったことは言っていない。

それなのに。

それなのに、何故。