ある日。
私は、一人で広い食堂を掃除していた。
本当は、班の皆で掃除をすることになっているのだが。
いじめられっ子の私は、掃除当番を一人で押し付けられた。
私は、一人でぽつねんと、広い食堂にモップをかけていた。
そのときだった。
食堂の片隅にある小さな本棚の中に、それを見つけた。
「…?」
いつもなら、こんな古ぼけた本棚には、見向きもしなかった。
誰も、私も。
だけどその日は何故か、目に留まった。
これこそ、神が私を真理の道に導いてくれた瞬間だった。
古びた小さな本棚に入っていた本。
それは、ルティス帝国で国教とされている、アメリア教の聖典だった。
一体誰が、何処から持ってきた本なのか。
手に取ってみると、表紙は擦りきれてボロボロで、ページもくしゃくしゃになっていた。
子供達は、普段こんなものには見向きもしない。
ましてや宗教の本なんて、誰も読まない。
誰にも読んでもらったことのないその聖典を、私は薄汚れたワンピースの下に隠した。
自分の部屋に、持って帰ろうと思ったのだ。
何故そのときそうしたのか、私には説明がつかない。
不意にそうしたくなった、としか言えない。
まさに、神の導きだったのだ。
私は、一人で広い食堂を掃除していた。
本当は、班の皆で掃除をすることになっているのだが。
いじめられっ子の私は、掃除当番を一人で押し付けられた。
私は、一人でぽつねんと、広い食堂にモップをかけていた。
そのときだった。
食堂の片隅にある小さな本棚の中に、それを見つけた。
「…?」
いつもなら、こんな古ぼけた本棚には、見向きもしなかった。
誰も、私も。
だけどその日は何故か、目に留まった。
これこそ、神が私を真理の道に導いてくれた瞬間だった。
古びた小さな本棚に入っていた本。
それは、ルティス帝国で国教とされている、アメリア教の聖典だった。
一体誰が、何処から持ってきた本なのか。
手に取ってみると、表紙は擦りきれてボロボロで、ページもくしゃくしゃになっていた。
子供達は、普段こんなものには見向きもしない。
ましてや宗教の本なんて、誰も読まない。
誰にも読んでもらったことのないその聖典を、私は薄汚れたワンピースの下に隠した。
自分の部屋に、持って帰ろうと思ったのだ。
何故そのときそうしたのか、私には説明がつかない。
不意にそうしたくなった、としか言えない。
まさに、神の導きだったのだ。


