…懐かしい名前じゃないか。
「俺ももう長いことマフィアやってますけど…。未だにその名前を聞くことになるとは」
あいつら、根が深いにもほどがあるだろ。
俺がマフィアに入って、割とすぐに一戦交えて。
その後名前を聞いたのは、確かルリシヤの…『セント・ニュクス』のときだっけ。
つまり、残党の残党の残党ってことだな。
どんだけしぶといんだ。
「まだ生きてたのか、あいつら…」
「しぶとっ…!そいつゴキブリじゃね?アリューシャと同類じゃね?」
「アリューシャは良い子だよ」
すかさずアイズがフォロー。
うん。アリューシャは良い子だよ。
ただ、頭がちょっと残念なだけで。
「…『厭世の孤塔』か…」
ルリシヤは、この表情である。
仮面でよく見えないが、冴えない表情なのは確かだ。
彼にとっては、古巣である『セント・ニュクス』を間接的に破滅に導いた組織。
俺達以上に、思うところはあるだろう。
それに。
「…アイズを拉致した犯人が、これではっきりしましたね」
「…そうだね」
間違いない。
犯人は、『厭世の孤塔』だ。
「…拉致?どういうことだ?」
あぁ、オルタンス達は知らないんだっけ。
知らなくて良いわ。お前らは。
「何でもない、こちらの話です」
とにかく、これで敵の姿ははっきりした。
「『青薔薇連合会』にとっても、彼らは因縁のある組織だろう」
「そりゃあもう」
むしろ因縁しかないってくらい。
「『厭世の孤塔』と組み、一般人の命を奪った『天の光教』を、我々はもう看過することは出来ない。彼らの宗教団体としての権利を剥奪し、ルチカ・ブランシェット以下、『天の光教』幹部達にも逮捕状を出すつもりだ」
「…」
事実上、『天の光教』の解体だな。
「『天の光教』が武装している以上、戦闘は避けられないだろう。我々が…」
「突入はいつです?」
「…今夜11時だ」
「宜しい。では、『青薔薇連合会』も突入に協力しましょう」
オルタンスは、少し意外そうな顔をした。
「参加する気があったのか」
この野郎。
俺達が、高みの見物してると?
まぁ、普段ならそういう面倒なことは帝国騎士団に押し付け、俺達は優雅に紅茶でも飲んでるところだが。
今回は、そういう訳にはいかない。
「我々が狙うのは、あくまで『厭世の孤塔』です。彼らには落とし前をつけてもらわないといけない。『天の光教』などどうでも良い。こいつらは、お宅らに任せます」
『天の光教』や、ルチカ・ブランシェットのことなどどうでも良い。
帝国騎士団の方で、煮るなり焼くなり揚げるなり、好きにすれば良い。
元々、表社会の組織である『天の光教』に、俺達は手出し出来ないのだ。
だが、『厭世の孤塔』は別だ。
奴らは裏社会の組織であり、俺達『青薔薇連合会』にちょっかいをかけた挙げ句、『セント・ニュクス』を間接的に崩壊させ。
おまけに、我らが次期首領、アイズレンシアを傷つけてくれた。
相当の「お礼」をしなくては、『青薔薇連合会』の名が廃るというもの。
それに。
「あなた方だけに任せて、貸しを作るのは癪ですからね。俺達が『厭世の孤塔』、帝国騎士団が『天の光教』。それぞれ分業です」
お互い、それぞれ表と裏を担当する。
これで、貸し借りなし。
「…分かった」
オルタンスも異論なし。
「…まぁ、妥当なところだね」
アイズの方も異論なし。
じゃ、そういうことで。
「俺ももう長いことマフィアやってますけど…。未だにその名前を聞くことになるとは」
あいつら、根が深いにもほどがあるだろ。
俺がマフィアに入って、割とすぐに一戦交えて。
その後名前を聞いたのは、確かルリシヤの…『セント・ニュクス』のときだっけ。
つまり、残党の残党の残党ってことだな。
どんだけしぶといんだ。
「まだ生きてたのか、あいつら…」
「しぶとっ…!そいつゴキブリじゃね?アリューシャと同類じゃね?」
「アリューシャは良い子だよ」
すかさずアイズがフォロー。
うん。アリューシャは良い子だよ。
ただ、頭がちょっと残念なだけで。
「…『厭世の孤塔』か…」
ルリシヤは、この表情である。
仮面でよく見えないが、冴えない表情なのは確かだ。
彼にとっては、古巣である『セント・ニュクス』を間接的に破滅に導いた組織。
俺達以上に、思うところはあるだろう。
それに。
「…アイズを拉致した犯人が、これではっきりしましたね」
「…そうだね」
間違いない。
犯人は、『厭世の孤塔』だ。
「…拉致?どういうことだ?」
あぁ、オルタンス達は知らないんだっけ。
知らなくて良いわ。お前らは。
「何でもない、こちらの話です」
とにかく、これで敵の姿ははっきりした。
「『青薔薇連合会』にとっても、彼らは因縁のある組織だろう」
「そりゃあもう」
むしろ因縁しかないってくらい。
「『厭世の孤塔』と組み、一般人の命を奪った『天の光教』を、我々はもう看過することは出来ない。彼らの宗教団体としての権利を剥奪し、ルチカ・ブランシェット以下、『天の光教』幹部達にも逮捕状を出すつもりだ」
「…」
事実上、『天の光教』の解体だな。
「『天の光教』が武装している以上、戦闘は避けられないだろう。我々が…」
「突入はいつです?」
「…今夜11時だ」
「宜しい。では、『青薔薇連合会』も突入に協力しましょう」
オルタンスは、少し意外そうな顔をした。
「参加する気があったのか」
この野郎。
俺達が、高みの見物してると?
まぁ、普段ならそういう面倒なことは帝国騎士団に押し付け、俺達は優雅に紅茶でも飲んでるところだが。
今回は、そういう訳にはいかない。
「我々が狙うのは、あくまで『厭世の孤塔』です。彼らには落とし前をつけてもらわないといけない。『天の光教』などどうでも良い。こいつらは、お宅らに任せます」
『天の光教』や、ルチカ・ブランシェットのことなどどうでも良い。
帝国騎士団の方で、煮るなり焼くなり揚げるなり、好きにすれば良い。
元々、表社会の組織である『天の光教』に、俺達は手出し出来ないのだ。
だが、『厭世の孤塔』は別だ。
奴らは裏社会の組織であり、俺達『青薔薇連合会』にちょっかいをかけた挙げ句、『セント・ニュクス』を間接的に崩壊させ。
おまけに、我らが次期首領、アイズレンシアを傷つけてくれた。
相当の「お礼」をしなくては、『青薔薇連合会』の名が廃るというもの。
それに。
「あなた方だけに任せて、貸しを作るのは癪ですからね。俺達が『厭世の孤塔』、帝国騎士団が『天の光教』。それぞれ分業です」
お互い、それぞれ表と裏を担当する。
これで、貸し借りなし。
「…分かった」
オルタンスも異論なし。
「…まぁ、妥当なところだね」
アイズの方も異論なし。
じゃ、そういうことで。


