「死者が出た」
オルタンスは、簡潔にそう言った。
…まぁ、そうだろうね。
いつかはそうなると思ってたよ。
拳銃ぶっぱなしてるんだろ?今まで死者が出なかった方がおかしい。
ましてや、拳銃の扱いに慣れていない『天の光教』の連中だ。
そりゃ死ぬだろうよ。
「誰が?」
「『天の光教』が襲撃した貴族の屋敷に勤めている、使用人が二人」
二人もか。
それはそれは。お気の毒なことで。
貴族の屋敷に勤めてるってだけで、使用人は一般人だろうに。
「世間にはまだ伏せている情報だ」
「…それが賢明でしょうね」
そんなもん、大衆に知らせてみろ。
以前、帝国騎士団が『天の光教』の学生を怪我させたことがあったが。
あのとき以上に炎上するのは、目に見えている。
最近の『天の光教』叩きの風潮は、ルチカ教祖が気の毒になってくるくらいだからな。
あいつら、今まで散々帝国騎士団や『青薔薇連合会』をディスっておきながら。
今度は同じ口で、『天の光教』をディスるんだからな。
「インチキ宗教団体」とか言ってさ。
よく言うよ。ちょっと前までリスペクトしまくってた癖にさ。
これだからマスコミって奴は。
とにかく、今の状態で、『天の光教』によるテロで一般人に死者が出たなんて知られたら。
今以上に、メディアも大衆も大きな声で騒ぎ立てるだろう。
最悪、パニック状態に陥りかねない。
勿論ずっと隠しておく訳にはいかないから、いずれは折りを見て報道する必要があるが…。
「で、殺した奴は?まさか逃がしてませんよね?」
もし殺人犯を野に放してしまったのなら、間抜けなんて話じゃ済まないが?
「勿論だ。捕らえて、取り調べを受けさせている」
「取り調べ、ね…」
「…悪いが、容疑者をそちらに引き渡す訳にはいかないぞ」
「分かってますよ」
表社会と裏社会の区別は、しっかりつけろってことだろ?
俺達の方に捕虜を渡してくれれば、今すぐにでも『青薔薇連合会』の尋問フルコースを受けてもらったのに。
きっと、すぐ吐くだろうなぁ。
とはいえ、『天の光教』は今でも一応、表社会の組織。
容疑者を俺達に引き渡す訳にはいかない。
裏社会の法ではなく、あくまで表社会の法で裁かなくては。
残念だ。
「何か吐いたんですか?協力してる非合法組織の名前とか」
「あぁ、吐いた」
「それを先に言えよ」
まず第一にそれを言えよ。
何黙ってんだお前。殺すぞ。
「『天の光教』と組んでいる組織は、『厭世の孤塔』だ。聞き覚えはあるな?」
「…」
…へぇ。
オルタンスは、簡潔にそう言った。
…まぁ、そうだろうね。
いつかはそうなると思ってたよ。
拳銃ぶっぱなしてるんだろ?今まで死者が出なかった方がおかしい。
ましてや、拳銃の扱いに慣れていない『天の光教』の連中だ。
そりゃ死ぬだろうよ。
「誰が?」
「『天の光教』が襲撃した貴族の屋敷に勤めている、使用人が二人」
二人もか。
それはそれは。お気の毒なことで。
貴族の屋敷に勤めてるってだけで、使用人は一般人だろうに。
「世間にはまだ伏せている情報だ」
「…それが賢明でしょうね」
そんなもん、大衆に知らせてみろ。
以前、帝国騎士団が『天の光教』の学生を怪我させたことがあったが。
あのとき以上に炎上するのは、目に見えている。
最近の『天の光教』叩きの風潮は、ルチカ教祖が気の毒になってくるくらいだからな。
あいつら、今まで散々帝国騎士団や『青薔薇連合会』をディスっておきながら。
今度は同じ口で、『天の光教』をディスるんだからな。
「インチキ宗教団体」とか言ってさ。
よく言うよ。ちょっと前までリスペクトしまくってた癖にさ。
これだからマスコミって奴は。
とにかく、今の状態で、『天の光教』によるテロで一般人に死者が出たなんて知られたら。
今以上に、メディアも大衆も大きな声で騒ぎ立てるだろう。
最悪、パニック状態に陥りかねない。
勿論ずっと隠しておく訳にはいかないから、いずれは折りを見て報道する必要があるが…。
「で、殺した奴は?まさか逃がしてませんよね?」
もし殺人犯を野に放してしまったのなら、間抜けなんて話じゃ済まないが?
「勿論だ。捕らえて、取り調べを受けさせている」
「取り調べ、ね…」
「…悪いが、容疑者をそちらに引き渡す訳にはいかないぞ」
「分かってますよ」
表社会と裏社会の区別は、しっかりつけろってことだろ?
俺達の方に捕虜を渡してくれれば、今すぐにでも『青薔薇連合会』の尋問フルコースを受けてもらったのに。
きっと、すぐ吐くだろうなぁ。
とはいえ、『天の光教』は今でも一応、表社会の組織。
容疑者を俺達に引き渡す訳にはいかない。
裏社会の法ではなく、あくまで表社会の法で裁かなくては。
残念だ。
「何か吐いたんですか?協力してる非合法組織の名前とか」
「あぁ、吐いた」
「それを先に言えよ」
まず第一にそれを言えよ。
何黙ってんだお前。殺すぞ。
「『天の光教』と組んでいる組織は、『厭世の孤塔』だ。聞き覚えはあるな?」
「…」
…へぇ。


