The previous night of the world revolution5~R.D.~

帝国騎士団に聞くところ。

デモの発生件数は、日に日に減っているそうだ。

その上、デモを起こしても、メディアは以前のように過剰な反応をしてくれない。

それどころか、メディアだけじゃない。

ついこの間まで、デモを起こせば、多くの市民がそれに呼応して、賛同してくれた。

それなのに最近は、デモを起こしても、皆どうでも良さそうな目で見るか。

あるいは、白い目で見る始末。

「お前達、まだそんなことやってんの?」って目だ。

そんな目で見られちゃ、デモやってる側も、すごすごと引き下がるしかない。

以前のように、皆が乗ってきてくれない。

メディアが自分達のことを取り上げてくれない。

それどころか、景気回復とか雇用推進とか、何やら楽しげな話題ばかりが流れている。

『天の光教』のことなんて、誰も気にかけてくれなくなってきた。

定期的に行っている講演会に、足を運んでくれる人も少なくなった。

以前は、立ち見する人までいたくらいなのに。

今は、ガラガラ過ぎて楽々座れるどころか、閑古鳥状態。

たった数人を相手に、講演をしているようなもの。

それだけじゃない。

講演会場の方も、『天の光教』を閉め出し始めた。

何故なら、『天の光教』なんかより、遥かに儲かる企画が次々と舞い込んできたからである。

『frontier』のライブツアー再開を筆頭に、他の人気アーティストのコンサート。

演劇やミュージカル、お笑いライブや地元の交響楽団の演奏会。

入場無料の『天の光教』の講演なんかより、こちらの方が遥かに儲かるに決まってる。

イベント会場はこぞって『天の光教』の講演依頼を断り、コンサートや演劇の為に会場を貸し出すことにした。

それによって、『天の光教』は講演会を行う場所を失った。

テレビも『天の光教』を取り上げなくなり、yourtubeに動画をあげても、観てくれる人は激減。

それよりもっと景気の良い、楽しい話題に夢中。

あれだけ帝国騎士団を叩きまくっていた掲示板も、今や絶滅危惧種なのである。