The previous night of the world revolution5~R.D.~

「…?ケーキが美味しくなったら、デモやめんの?」

「景気」を「ケーキ」だと思ってるらしいアリューシャ。

ルルシーは呆れて溜め息をついていたが。

「そうなんだよ。良い?アリューシャ。前ケーキ屋さんの例えをしたの覚えてる?」

「うん。ショートケーキなのに、いちごが乗ってなかったんだろ?」

「そう。そのケーキ屋さんがね、ちょっと『臨時収入』があって、またケーキの上にいちごを乗せられるようになったんだ」

「マジか!やったー!」

「アリューシャ、いちごの乗ったショートケーキ食べたいでしょ?」

「うん!食べたい!」

俺も食べたい。

何ならルルシーごと食べたい。

「ルティス帝国民の皆も、アリューシャと同じなんだよ。今までずっと、いちごも乗ってない、甘くもないケーキばかり食べさせられてきたから。いちごの乗った甘いショートケーキが売られてたら、買いたくなる。皆がケーキを買ったら、ケーキ屋さんは儲かるでしょ?」

「うん」

「そうしたら今度は、ショートケーキだけじゃなくて、チーズケーキも作れるようになったんだ」

「マジかよ!チーズケーキまで食って良いの?」

「良いよ。ただし、夕飯前は駄目だからね」

ご飯食べられなくなるもんね。

「そうしたら、チーズケーキ好きな人は、チーズケーキを買うでしょう?そしてまた儲かったら、ケーキ屋さんは新しく、チョコケーキやロールケーキや、シュークリームも売れるようになる」

「アリューシャの…アリューシャのケーキ屋が帰ってきた!生きてて良かった!人類フォーエバー!」

感激の涙を流さんばかりのアリューシャ。

人類フォーエバーとは何だ。

「アリューシャは美味しいケーキを食べたら、元気になるでしょ?」

「うん!元気120%になる!」

「それと同じで、皆も美味しいケーキを食べたら、元気になるんだ。ケーキ食べて美味しいなぁって思ってるときに、横から『ケーキなんか食べるのやめて、貴族の家にデモしに行こうぜ』って誘われたら、アリューシャはどう思う?」

「何だそいつ!ものすげー鬱陶しい!」

「でしょ?」

…アイズ。

君の説明の、なんと分かりやすいことよ。