「…?銀行…?」
「ルレ公、銀行襲うのか…!?死神改め、怪盗ルレ公になるのか!?」
それはそれでちょっと楽しそう。
どんな俺でも格好良さそうだなぁ。
「銀行は比喩ですよ。要するに、お金持ちの人からお金もらってこようって話です」
「ほら、ルレイア先輩がたまに、高級娼婦や貴族のご婦人に『おねだり』して、貴金属をせしめたりしてるだろう。あれだ」
「ほほう!あれか!」
そう、あれあれ。
違うのは今度は『おねだり』じゃなくて、『脅迫』だという点だ。
「こういうときの為に、やっぱりはコネは作っとくべきですよね~」
「でも、お金持ちって…。お金持ちからお金もらって、どうするの?」
と、シュノさん。
「国民に配布するんですよ。景気が回復しつつある今、一気に強力な『後押し』をして、完全に経済を回復させます」
「経済を回復って…。そんな莫大なお金持ちが、何処にいるの…?」
経済を回復に導くほどの「金持ち」。
そんじょそこらの小金持ちじゃ、到底無理だ。
正直、『青薔薇連合会』の経済力でも無理だろう。
でも。
「いるじゃないですか。国内じゃなくて、国外に」
「国外…?あ、分かった。箱庭帝国だな!?ルア公からぶん盗るのか!?」
アリューシャ、惜しい。
目の付け所は悪くないんだがな。箱庭帝国の最近の経済発展は、目覚ましいものがあるし。
「さすがに、ルアリスから金取ろうとは思いませんよ」
頼めば、援助してくれそうではあるがな。あの甘々なルアリスのこと。
でも、何だかんだ友好関係を築いていて、個人的にも信頼関係のあるルアリスから、金を取る気にはなれない。
それに、ルアリスがいくら援助してくれようと、箱庭帝国は所詮、小国だ。
いくら経済発展しているとはいえ、箱庭帝国の経済力は、所詮ルティス帝国のそれには及ばない。
箱庭帝国一国に頼るようでは、ルティス帝国の経済回復は望めない。
「じゃあ…アシスファルト帝国?」
シュノさんが尋ねた。
それも惜しい。
「アシスファルトなら、良い線ですね」
実質アシスファルトの統治者となっているシャリヤは、俺の女だし。
頼めば、いくらでも援助してくれそうだ。
だが。
「アシスファルト帝国の経済は、ルティス帝国と癒着し過ぎている。今のアシスファルト帝国に、ルティス帝国を援助する余裕はないでしょう」
元々国交が親密だったアシスファルト帝国とルティス帝国の経済は、互いに深く結び付いている。
つまり、ルティス帝国の経済が良くないときは、アシスファルト帝国の経済も、あまり良くないのだ。
まぁ、アシスファルト帝国の経済悪化は、ルティス帝国ほどではないようだが。
財布の中身が薄いアシスファルト帝国に、金を出せと脅したところで、出てくる額は微量なもの。
「アシスファルト帝国の国庫には、あまり期待してませんね」
「それじゃあ、ルレイアは何処に…。ルレイアの言う『銀行』って…」
「あるでしょう?ルティス帝国と同じくらいの国力を持って、おまけに『脅迫』するネタがある国が」
「…!まさか!」
シュノさんも、気づいたようだな。
同じく気づいたらしいルルシーが、無言で天を扇いでいた。
が。
「…?何処?」
アリューシャだけは、まだ分かってないようだ。
「ルレ公、銀行襲うのか…!?死神改め、怪盗ルレ公になるのか!?」
それはそれでちょっと楽しそう。
どんな俺でも格好良さそうだなぁ。
「銀行は比喩ですよ。要するに、お金持ちの人からお金もらってこようって話です」
「ほら、ルレイア先輩がたまに、高級娼婦や貴族のご婦人に『おねだり』して、貴金属をせしめたりしてるだろう。あれだ」
「ほほう!あれか!」
そう、あれあれ。
違うのは今度は『おねだり』じゃなくて、『脅迫』だという点だ。
「こういうときの為に、やっぱりはコネは作っとくべきですよね~」
「でも、お金持ちって…。お金持ちからお金もらって、どうするの?」
と、シュノさん。
「国民に配布するんですよ。景気が回復しつつある今、一気に強力な『後押し』をして、完全に経済を回復させます」
「経済を回復って…。そんな莫大なお金持ちが、何処にいるの…?」
経済を回復に導くほどの「金持ち」。
そんじょそこらの小金持ちじゃ、到底無理だ。
正直、『青薔薇連合会』の経済力でも無理だろう。
でも。
「いるじゃないですか。国内じゃなくて、国外に」
「国外…?あ、分かった。箱庭帝国だな!?ルア公からぶん盗るのか!?」
アリューシャ、惜しい。
目の付け所は悪くないんだがな。箱庭帝国の最近の経済発展は、目覚ましいものがあるし。
「さすがに、ルアリスから金取ろうとは思いませんよ」
頼めば、援助してくれそうではあるがな。あの甘々なルアリスのこと。
でも、何だかんだ友好関係を築いていて、個人的にも信頼関係のあるルアリスから、金を取る気にはなれない。
それに、ルアリスがいくら援助してくれようと、箱庭帝国は所詮、小国だ。
いくら経済発展しているとはいえ、箱庭帝国の経済力は、所詮ルティス帝国のそれには及ばない。
箱庭帝国一国に頼るようでは、ルティス帝国の経済回復は望めない。
「じゃあ…アシスファルト帝国?」
シュノさんが尋ねた。
それも惜しい。
「アシスファルトなら、良い線ですね」
実質アシスファルトの統治者となっているシャリヤは、俺の女だし。
頼めば、いくらでも援助してくれそうだ。
だが。
「アシスファルト帝国の経済は、ルティス帝国と癒着し過ぎている。今のアシスファルト帝国に、ルティス帝国を援助する余裕はないでしょう」
元々国交が親密だったアシスファルト帝国とルティス帝国の経済は、互いに深く結び付いている。
つまり、ルティス帝国の経済が良くないときは、アシスファルト帝国の経済も、あまり良くないのだ。
まぁ、アシスファルト帝国の経済悪化は、ルティス帝国ほどではないようだが。
財布の中身が薄いアシスファルト帝国に、金を出せと脅したところで、出てくる額は微量なもの。
「アシスファルト帝国の国庫には、あまり期待してませんね」
「それじゃあ、ルレイアは何処に…。ルレイアの言う『銀行』って…」
「あるでしょう?ルティス帝国と同じくらいの国力を持って、おまけに『脅迫』するネタがある国が」
「…!まさか!」
シュノさんも、気づいたようだな。
同じく気づいたらしいルルシーが、無言で天を扇いでいた。
が。
「…?何処?」
アリューシャだけは、まだ分かってないようだ。


