The previous night of the world revolution5~R.D.~

「…?何が厄介なの?そいつらの自業自得じゃん」

「…普通に考えたら、そうなんですけどねー」

皆、普通に考えられる冷静な精神状態じゃなくなってるんだよねー。

「アリューシャ。『天の光教』もメディアも、少しでも帝国騎士団を批判する口実を、手ぐすね引いて待ってるんですよ」

「でもでも、怪我させたのは警察なんだろ?帝国騎士団じゃないじゃん」

「警察は帝国騎士団の下部組織みたいなもんですから。ここぞとばかりに帝国騎士団が批判されますよ」

この状況で警察が不祥事を起こせば、それ即ち帝国騎士団の過ちだ。

「ふぇ~?帝国騎士団とばっちりじゃん!」

本当にね。

ざまぁないけど。

「しかも、そいつら勝手に落っこちて怪我したんだろ?警察関係ねぇし」

「無駄無駄。『警察が催涙弾なんて野蛮なものを使ったせいでー!』とか言って、またバッシングしますよ」

「催涙弾が野蛮なら、アリューシャのライフルは何だよ!」

大量殺戮兵器みたいなもんだよな。

俺の鎌とかもどうなるの。

催涙弾って、要するに涙とくしゃみを出させるだけだろ、って舐められがちだけど。

使われると、案外ダメージ大きいんだぞ。

やられたことある?あれ。

俺、帝国騎士官学校時代に、訓練の一環でやられたことあるんだけど。

ちょっとしたトラウマになるくらいには、ナイスダメージだったよ。

え?やられたことない?

平和な人生送ってるようで何より。

「それに、経緯はどうあれ、『警察が帝国民に怪我をさせた』っていう事実が重要なんですよ」

そこまで言っても、でもあいつらの自業自得じゃん、とアリューシャは納得行かないようだったが。

「ニュース速報、凄いことになってる…」

「掲示板も荒れ放題だな…」

シュノさんとルルシーが、それぞれスマートフォンを覗きながら、戦々恐々としていた。

早速、メディアがこのニュースを嗅ぎ付けたか。

そりゃ格好のネタだよなぁ。

「あ、後れ馳せながら、帝国騎士団からメール来たよ。詳しい経緯について書いてある」

と、アイズ。

「ふっ。遅いな。その前に俺がハッキングして、詳細は調べさせてもらった」

どや顔のルリシヤ。

さすがルリシヤ。帝国騎士団なんかより、ずっと仕事が早い。

まぁ、今回はこうやって、帝国騎士団側の方から情報共有してくれるから。

そんなに焦らなくても良いんだが、まぁ情報は早い方が良いに決まってる。

「どうです?アイズ。帝国騎士団からの情報は」

「うーん…。パッと見る限り、こちらが先に入手してた情報と変わりないね。今、皆にも転送する」

アイズが、俺達の携帯にもメールを転送してくれた。

有り難い。

じゃ、読ませてもらおうかな。帝国騎士団からのメールとやらを。