The previous night of the world revolution5~R.D.~

帝国騎士団に続き、『青薔薇連合会』までもが強硬な姿勢を示したことにより。

帝国民は一瞬怯んだものの、しかし『天の光教』に傾いた世論は、そんなことでは挫けない。

『天の光教』は各地でデモを広げ、更にその行為も少しずつ、過激になりつつあった。

以前は、プラカードを持って数時間ほど建物を占拠するだけだった。

このくらいは可愛いものだ。

しかし。

最近では、少しずつ凶暴さを増してきていた。

貴族の屋敷の周りを取り囲んで、中にいる貴族や、その使用人を睨み付けたり。

貴族御用達の高級商店の看板に、赤いスプレーで暴言を書いたり。

貴族の者が乗っている高級自家用車が道路を通りかかると、そのフロントガラスに石を投げつけたり。

ルチカ教祖にそうするように言われたのか。

それとも、信徒達が怒りを爆発させ、自発的に行った行為なのか。

いずれにしても、ルチカ教祖がそういった行為を止めないということは、彼女も容認しているということだ。

真っ向から戦ってやるという、強い意思の現れだ。

こうなると、最早デモじゃなくて、テロだな。

それにこのやり方は、いざというとき逃げやすい。

建物を占拠していたら、デモ犯も建物の中に立てこもる訳だから、警察に突入されたら、彼らには逃げ場がない。

でも、屋外なら。

貴族の家の周りや、道路脇の歩道なら。

一撃離脱とばかりに、やりたいだけやって、警察が近づいてきたら、即座に蜘蛛の子散らしたように逃げられる。

そりゃ何人かは捕まるだろうが、他の何人かは逃げおおせる。

こうすることで、『天の光教』は少しでも逮捕者を減らそうとしていた。

向こうも対策を練ってきたという訳だ。小賢しいことに。

でも、まだ最悪の事態は起きていなかった。

だから、一線は守っていられた。

しかし。

そんな不穏な日々の中、ある日突然、とうとう恐れていたことが起きた。