The previous night of the world revolution5~R.D.~

これでも一応、一通りルティス帝国の政治や法律を学んだ者として、意見を言わせてもらうと。

帝国騎士団としては、文句のつけようのない妥協点だ。

特に、「宗教活動そのものは容認する」という部分。

ここが肝だな。

『天の光教』ごと犯罪組織とみなしてぶっ潰せば、信徒達が怒り狂うのは目に見えている。

政府が信仰の自由を阻害した、と彼らに政府を批難する口実を与えることになる。

だから、敢えて宗教活動だけは許したのだ。

あくまで許さないのは、デモ行為のみ。

信仰そのものを否定した訳じゃない。

これによって、帝国騎士団も『天の光教』を逮捕する言い訳が出来た。

「信仰を否定してるんじゃないよ。ただ危ないことしてるから、秩序を守る為に捕まえてるだけだよ」と言えるからな。

全く、これだから政治的配慮って奴は。

しかし。

「さすがに、帝国騎士団は上手く立ち回ったと思いますけど…。『天の光教』は、どう動きますかね」

「…難しいところだな」

ルリシヤも、このしかめっ面。

帝国騎士団は上手いことやったが。

それに対して、『天の光教』はどう動くか。

帝国騎士団と同じくらい冷静で、そして賢かったら良いのだけど。

あのルチカ教祖を見る限り、そんなに単純でもなさそうだ。

「まず、冷静に物事を考えられる奴が少ないからな…」

「…そうなんですよ」

ちゃんと落ち着いて話を聞けば、帝国騎士団が正しいことを言ってるって分かるはずなんだけど。

今、皆頭に血が上ってるからな。

おまけに。

『天の光教』が散々帝国騎士団を煽ったお陰で、ただでさえ帝国騎士団を国民の敵とする風潮が流れている。

帝国騎士団の言うことを、純粋に聞いてくれる国民がどれだけいるか…。

ま、これも日頃の行いってことだな。

俺みたいに、普段から誠実さの塊みたいな人間だったら、誰にも疑われず、信用されただろうに。

「とりあえず、今夜から明日にかけて『天の光教』がどう動くか、楽しみに待ちましょう」

あの狂信者のことだ。

黙って事の成り行きを見守るとは、とても思えない。