「この世からおやつが消えるなんて…。皆何でそんなに呑気でいられるんだ。世界の終わりだぞ。ビックバンだぞ…!?」
「…アリューシャ。それ世界の始まり。終わりはハルマゲドン」
紛らわしいよねー。
まぁアイズの言った例は、かなり極端だから。
例えどんなに不景気が蔓延しようとも、ルティス帝国から一切のお菓子屋さんが消えることはないだろう。
ルティス帝国は、その長い歴史の中で、これまで何度も不景気の波を乗り越えてきた。
流れに身を任せ、ついでに帝国騎士団に面倒臭いこと一切合切押し付けておけば、いつかは不景気も脱却するだろう。
経済なんてそういうものだ。
しかし、アリューシャは大層心配になったようで。
「どうしたら良いんだ…。アリューシャは世界を救う為に、どうしたら良いんだ!?誰を撃ち抜けば、この戦争は終わるんだ…!?」
物凄く格好良い名言みたいになってるな。
全てはおやつを守る為なんだけど。
ルルシーは、もう呆れ返って何も言わなかった。
「残念ながら、アリューシャが誰かを格好良く撃ち抜いて解決する問題じゃないんだよ」
「そうなの!?」
「そうなの。だから大変なんだよ」
今までの事件とは違う。
帝国騎士団が悪い、『シュレディンガーの猫』が悪い、憲兵局が悪い、アシミムが悪い。
今までは、誰が悪いのかはっきりしていた。
しかし今回は、誰が悪い、と特定の人物や組織を特定することは出来ない。
強いて言うなら、目に見えないものが敵。
アリューシャが格好良く撃ち抜いたり、俺が格好良く鎌で切り裂いたりして解決するなら、どんなに簡単だったろう。
でも、そうは行かない。
誰も悪くないからこそ、この問題は難しい。
「じゃあアリューシャはこのまま指を咥えて…世界の終わりを眺めてることしか出来ないのか…!?アリューシャに、アリューシャに何か出来ることは…!」
「そうだな…。やっぱり一番良いのは、こんなときだからこそ、お金を使って経済を回すことだね」
「金!?金使えば良いのか!?」
まぁ、単純に言えばそうなるね。
皆が貯蓄に回してお金を使わなくなるから、不景気が加速するのであって。
皆がお金を使って経済を回せば、景気は回復する。
「よし分かった!じゃあアリューシャ、今すぐチュッパチャプス10本大人買いしてくる!」
成程、それも立派な経済貢献。
それなのに、ルルシーはずるっ、とずっこけた。
「お前な…。チュッパチャプス10本ごときで経済が動く訳ないだろ…」
「いや、分かりませんよルルシー。もしかしたらアリューシャがチュッパチャプスを大人買いしてる姿に触発されて、皆が経済を回し出すかもしれませんし」
その可能性は限りなく低いけどな。
まぁ、何も買わないよりはマシ。
しかし。
「駄目だよ、アリューシャ。そんなにたくさんチュッパチャプスを舐めたら、虫歯になっちゃうからね」
そういえばそうだ。
「えー…。じゃあ他のもの買わなきゃ駄目?」
「そうだね。買うなら他のものにしようね」
他のもの…か。
…うーん。
こんなときだからこそ、俺達富裕層が積極的に経済を回すべきだよな。
ルティス帝国そのものには何の興味もないし、滅びてくれても構わんが。
しかしルティス帝国経済が崩れれば、『青薔薇連合会』も無関係ではいられなくなってくるし。
…よし。
良いこと思い付いた。
「分かりました。では皆さん、ここは一つ我々がドカンと一発お金を使って、ルティス帝国経済に貢献しようじゃありませんか」
経済貢献、兼、暇潰しに持ってこいの企画である。
「…アリューシャ。それ世界の始まり。終わりはハルマゲドン」
紛らわしいよねー。
まぁアイズの言った例は、かなり極端だから。
例えどんなに不景気が蔓延しようとも、ルティス帝国から一切のお菓子屋さんが消えることはないだろう。
ルティス帝国は、その長い歴史の中で、これまで何度も不景気の波を乗り越えてきた。
流れに身を任せ、ついでに帝国騎士団に面倒臭いこと一切合切押し付けておけば、いつかは不景気も脱却するだろう。
経済なんてそういうものだ。
しかし、アリューシャは大層心配になったようで。
「どうしたら良いんだ…。アリューシャは世界を救う為に、どうしたら良いんだ!?誰を撃ち抜けば、この戦争は終わるんだ…!?」
物凄く格好良い名言みたいになってるな。
全てはおやつを守る為なんだけど。
ルルシーは、もう呆れ返って何も言わなかった。
「残念ながら、アリューシャが誰かを格好良く撃ち抜いて解決する問題じゃないんだよ」
「そうなの!?」
「そうなの。だから大変なんだよ」
今までの事件とは違う。
帝国騎士団が悪い、『シュレディンガーの猫』が悪い、憲兵局が悪い、アシミムが悪い。
今までは、誰が悪いのかはっきりしていた。
しかし今回は、誰が悪い、と特定の人物や組織を特定することは出来ない。
強いて言うなら、目に見えないものが敵。
アリューシャが格好良く撃ち抜いたり、俺が格好良く鎌で切り裂いたりして解決するなら、どんなに簡単だったろう。
でも、そうは行かない。
誰も悪くないからこそ、この問題は難しい。
「じゃあアリューシャはこのまま指を咥えて…世界の終わりを眺めてることしか出来ないのか…!?アリューシャに、アリューシャに何か出来ることは…!」
「そうだな…。やっぱり一番良いのは、こんなときだからこそ、お金を使って経済を回すことだね」
「金!?金使えば良いのか!?」
まぁ、単純に言えばそうなるね。
皆が貯蓄に回してお金を使わなくなるから、不景気が加速するのであって。
皆がお金を使って経済を回せば、景気は回復する。
「よし分かった!じゃあアリューシャ、今すぐチュッパチャプス10本大人買いしてくる!」
成程、それも立派な経済貢献。
それなのに、ルルシーはずるっ、とずっこけた。
「お前な…。チュッパチャプス10本ごときで経済が動く訳ないだろ…」
「いや、分かりませんよルルシー。もしかしたらアリューシャがチュッパチャプスを大人買いしてる姿に触発されて、皆が経済を回し出すかもしれませんし」
その可能性は限りなく低いけどな。
まぁ、何も買わないよりはマシ。
しかし。
「駄目だよ、アリューシャ。そんなにたくさんチュッパチャプスを舐めたら、虫歯になっちゃうからね」
そういえばそうだ。
「えー…。じゃあ他のもの買わなきゃ駄目?」
「そうだね。買うなら他のものにしようね」
他のもの…か。
…うーん。
こんなときだからこそ、俺達富裕層が積極的に経済を回すべきだよな。
ルティス帝国そのものには何の興味もないし、滅びてくれても構わんが。
しかしルティス帝国経済が崩れれば、『青薔薇連合会』も無関係ではいられなくなってくるし。
…よし。
良いこと思い付いた。
「分かりました。では皆さん、ここは一つ我々がドカンと一発お金を使って、ルティス帝国経済に貢献しようじゃありませんか」
経済貢献、兼、暇潰しに持ってこいの企画である。


