「…おい、オルタンス」
「うん?」
「お前、今何考えてる?」
「ルレイアに会いたいなぁと思ってる」
素直だな、お前は。
アストラエア派か、ルーシッド派か聞こうと思ったら。
それどころじゃなかった。
国のことを考えろ、国のことを。
「ふざけてないで、真面目に答えろ」
「分かった」
「まず明らかにしなきゃならないのは、奴らの目的だ」
単に、信者を増やしてルティス帝国で幅を効かせたいだけなのか。
それとも、本気で国家を転覆させ、政府を牛耳ろうとしているのか。
あるいは、他に何か目的があるのか。
それが分からない限り、俺達は対策のしようがない。
「…これ以上、野放しにはしておけないぞ」
『天の光教』はますます調子に乗り、勢力を広げる。
やりたい放題なのに、何もしない帝国騎士団。
このままじゃ、国民達からは弱腰となじられるだろう。
「…よし、分かった」
オルタンスは、こくりと頷いた。
「何だよ。何か名案でも思い付いたか?」
「あぁ」
ほう。
やるじゃないか。さすがは帝国騎士団長と言ったところか?
「ルレイアに会おう」
「…は?」
…お前、今何て?
「ルレイアに遊びに来てもらおう」
…敢えて聞こう。
「…何故?」
「いや、最近会ってないなぁと思って」
何だその理由は。
そんな、しばらく帰ってない実家に顔を出すみたいなノリで。
「…ふざけてるのか、貴様」
こめかみに血管が浮き出ているアストラエア。
良いぞ、もっと言ってやれ。
「いや、俺は別にルレイアに会いたいから呼ぼうとしてるんじゃないぞ。確かに会いたいけど。でも、そう…『青薔薇連合会』がどう動くのか、気になるだろう?いや、決してルレイアに会いたい訳じゃなくてな」
ルレイアに会いたいだけだろお前。
いっそ正直に言え。
「『青薔薇連合会』は動きゃしねぇよ。あいつらは関係ないだろ」
ルティス帝国のトップがアルティシア様だろうと、『天の光教』になろうと、あいつらは興味がないだろう。
闇の世界に住むあいつらには。
「だが…そうも言ってられないだろう」
と、ルシェ。
「『天の光教』が非合法組織を認めるならば、『青薔薇連合会』も他人事でいられるが。もし『天の光教』が『青薔薇連合会』をも敵に回すつもりなら、彼らも無関係ではいられない」
「…確かにな」
宗教団体ってのは、非合法組織に対してどう扱うんだろうな。
もし『天の光教』が本気で国家転覆を狙っているなら。
『青薔薇連合会』は、帝国騎士団に取って代わった『天の光教』と共存しなくてはならなくなる。
それはあいつらにとって都合の良いことか、悪いことか。
『青薔薇連合会』としても、ぽっと出の新興宗教が政府を牛耳るなんてことがあったら、気分が悪いだろうし。
彼らの出方を聞いてみるのも、悪くはない。
「聞いてみるのは勝手だが、応じてくれるかは分からないんだぞ」
「きっと来てくれるさ。ルレイアなら」
何処から来てんだ、その自信。
『青薔薇連合会』に相談したところで、事態が好転するとは思えないが…。
…と、思っていたら。
「うん?」
「お前、今何考えてる?」
「ルレイアに会いたいなぁと思ってる」
素直だな、お前は。
アストラエア派か、ルーシッド派か聞こうと思ったら。
それどころじゃなかった。
国のことを考えろ、国のことを。
「ふざけてないで、真面目に答えろ」
「分かった」
「まず明らかにしなきゃならないのは、奴らの目的だ」
単に、信者を増やしてルティス帝国で幅を効かせたいだけなのか。
それとも、本気で国家を転覆させ、政府を牛耳ろうとしているのか。
あるいは、他に何か目的があるのか。
それが分からない限り、俺達は対策のしようがない。
「…これ以上、野放しにはしておけないぞ」
『天の光教』はますます調子に乗り、勢力を広げる。
やりたい放題なのに、何もしない帝国騎士団。
このままじゃ、国民達からは弱腰となじられるだろう。
「…よし、分かった」
オルタンスは、こくりと頷いた。
「何だよ。何か名案でも思い付いたか?」
「あぁ」
ほう。
やるじゃないか。さすがは帝国騎士団長と言ったところか?
「ルレイアに会おう」
「…は?」
…お前、今何て?
「ルレイアに遊びに来てもらおう」
…敢えて聞こう。
「…何故?」
「いや、最近会ってないなぁと思って」
何だその理由は。
そんな、しばらく帰ってない実家に顔を出すみたいなノリで。
「…ふざけてるのか、貴様」
こめかみに血管が浮き出ているアストラエア。
良いぞ、もっと言ってやれ。
「いや、俺は別にルレイアに会いたいから呼ぼうとしてるんじゃないぞ。確かに会いたいけど。でも、そう…『青薔薇連合会』がどう動くのか、気になるだろう?いや、決してルレイアに会いたい訳じゃなくてな」
ルレイアに会いたいだけだろお前。
いっそ正直に言え。
「『青薔薇連合会』は動きゃしねぇよ。あいつらは関係ないだろ」
ルティス帝国のトップがアルティシア様だろうと、『天の光教』になろうと、あいつらは興味がないだろう。
闇の世界に住むあいつらには。
「だが…そうも言ってられないだろう」
と、ルシェ。
「『天の光教』が非合法組織を認めるならば、『青薔薇連合会』も他人事でいられるが。もし『天の光教』が『青薔薇連合会』をも敵に回すつもりなら、彼らも無関係ではいられない」
「…確かにな」
宗教団体ってのは、非合法組織に対してどう扱うんだろうな。
もし『天の光教』が本気で国家転覆を狙っているなら。
『青薔薇連合会』は、帝国騎士団に取って代わった『天の光教』と共存しなくてはならなくなる。
それはあいつらにとって都合の良いことか、悪いことか。
『青薔薇連合会』としても、ぽっと出の新興宗教が政府を牛耳るなんてことがあったら、気分が悪いだろうし。
彼らの出方を聞いてみるのも、悪くはない。
「聞いてみるのは勝手だが、応じてくれるかは分からないんだぞ」
「きっと来てくれるさ。ルレイアなら」
何処から来てんだ、その自信。
『青薔薇連合会』に相談したところで、事態が好転するとは思えないが…。
…と、思っていたら。


