The previous night of the world revolution5~R.D.~

と、思ったのだけど。

「あらあら~。うふふ」

俺達の報告を聞いたアシュトーリアさんの第一声である。

あまりの軽さに、ルルシーぽかーん。

俺はと言うと、こんなことじゃないかなーと思ってたので、さしたる驚きはなかった。

「あなた達は、本当に血の気の多い子だわねぇ。頼もしいわ」

「いや…あの…アシュトーリアさん?」

「なぁに?」

「…怒らないんですか?」

おずおずと尋ねるルルシー。

しかし、アシュトーリアさんは笑顔のまま。

「あら。何で怒るの?」

「独断で『天の光教』と敵対してしまって…」

「あぁ、まぁ確かに、今『天の光教』と事を構えるのは、ちょっと時期尚早だったかもしれないわね」

…ですよねー。

俺もそう思います。

「でも、彼らは明らかに国家を掌握しようとしている。私達が何もしなくても、いずれ私達の敵に回ることになったでしょう」

「…」

「それが少し早まっただけだわ。特に問題はないし…それに、教祖と直接話せたということは大きい。敵の姿を見ることが出来たんだもの」

…確かに。

少なくとも、敵の頭目が何を考えてるのか分からない、という事態は避けられた。

ましてや、敵を知らぬまま向こうから宣戦布告されていたら、事態はもっと深刻なものになっていただろう。

そう思えば、こちらから喧嘩を売る方が、まだマシだったのかも。

…とはいえ。

時期尚早…なんだよなぁ。

「今回ばかりは、俺も叱られても仕方ないと思ってますよ」

「あらあら。大丈夫よ、叱らないから。私、一度でもあなた達を叱ったことあったかしら」

ないねぇ。

「心配しなくても大丈夫。『青薔薇連合会』の基盤は磐石よ。それに…」

「…それに?」

「アイズに『天の光教』の本貸してもらったんだけどね、私も凄くムカついたから。ルレイアが言いたいこと全部言ってくれたみたいで、むしろスッキリしたわ」

…さすが、『青薔薇連合会』首領。

器が違うな。

そんな訳で、特にお咎めなしである。