講演会からの帰り道。
「…」
「…」
二人共、しばし無言。
俺はちらり、と横のルルシーを見た。
「…ルルシー、怒ってます?」
「…別に、怒ってないよ」
…そうかな。
「ついつい…俺が喧嘩を売っちゃったものだから…」
俺だって、最初は大人しくしてようと思ってたんだよ?
でもさぁ、あいつがムカつくことを言うもんだから。
ついちょっと…。うっかりね。
ついうっかりしちゃうことって、あるじゃん?
「お前が猪突猛進するのは、今に始まったことじゃないし…。そんなのいちいち止めようとしてたら、バリケードがいくつあっても足りないよ」
え、何それ。
酷い誤解だ。俺ほど分別のある大人はそういないぞ?
そりゃまぁ、ついうっかり暴走機関車になっちゃうことはあるけどさ。
それ以外は分別ある大人だもん。ねぇ?
「それに今回は、俺も喧嘩売っちまったしな…」
「…珍しくルルシーも食って掛かってましたね」
「…つい、な…」
うん。やっぱりついうっかりしちゃうことってあるよね。
「ルレイアのこと貶されてる気がして…」
それで我慢出来なくなっちゃったんだね。
「俺の為に、ありがとうございます」
「…ごめん」
「良いですよ。主に喧嘩売ったの俺ですし」
ルルシーが謝ることじゃない。
「とりあえず…今回はお互い様だな」
「そうですね」
似た者夫婦ということで。はい。
それにしても。
「あれだけ派手に真っ向勝負仕掛けたんだから、絶対目ぇつけられましたよね」
「そりゃつけられてるだろ。お前はただでさえ、その界隈では『有名人』なんだから、すぐに身元も割られるよ」
いやん。
モテる男は辛いなぁ。
で、それ以上に問題なのが。
「…」
「…」
二人共、しばし無言。
俺はちらり、と横のルルシーを見た。
「…ルルシー、怒ってます?」
「…別に、怒ってないよ」
…そうかな。
「ついつい…俺が喧嘩を売っちゃったものだから…」
俺だって、最初は大人しくしてようと思ってたんだよ?
でもさぁ、あいつがムカつくことを言うもんだから。
ついちょっと…。うっかりね。
ついうっかりしちゃうことって、あるじゃん?
「お前が猪突猛進するのは、今に始まったことじゃないし…。そんなのいちいち止めようとしてたら、バリケードがいくつあっても足りないよ」
え、何それ。
酷い誤解だ。俺ほど分別のある大人はそういないぞ?
そりゃまぁ、ついうっかり暴走機関車になっちゃうことはあるけどさ。
それ以外は分別ある大人だもん。ねぇ?
「それに今回は、俺も喧嘩売っちまったしな…」
「…珍しくルルシーも食って掛かってましたね」
「…つい、な…」
うん。やっぱりついうっかりしちゃうことってあるよね。
「ルレイアのこと貶されてる気がして…」
それで我慢出来なくなっちゃったんだね。
「俺の為に、ありがとうございます」
「…ごめん」
「良いですよ。主に喧嘩売ったの俺ですし」
ルルシーが謝ることじゃない。
「とりあえず…今回はお互い様だな」
「そうですね」
似た者夫婦ということで。はい。
それにしても。
「あれだけ派手に真っ向勝負仕掛けたんだから、絶対目ぇつけられましたよね」
「そりゃつけられてるだろ。お前はただでさえ、その界隈では『有名人』なんだから、すぐに身元も割られるよ」
いやん。
モテる男は辛いなぁ。
で、それ以上に問題なのが。


