The previous night of the world revolution5~R.D.~

講演会からの帰り道。

「…」

「…」

二人共、しばし無言。

俺はちらり、と横のルルシーを見た。

「…ルルシー、怒ってます?」

「…別に、怒ってないよ」

…そうかな。

「ついつい…俺が喧嘩を売っちゃったものだから…」

俺だって、最初は大人しくしてようと思ってたんだよ?

でもさぁ、あいつがムカつくことを言うもんだから。

ついちょっと…。うっかりね。

ついうっかりしちゃうことって、あるじゃん?

「お前が猪突猛進するのは、今に始まったことじゃないし…。そんなのいちいち止めようとしてたら、バリケードがいくつあっても足りないよ」

え、何それ。

酷い誤解だ。俺ほど分別のある大人はそういないぞ?

そりゃまぁ、ついうっかり暴走機関車になっちゃうことはあるけどさ。

それ以外は分別ある大人だもん。ねぇ?

「それに今回は、俺も喧嘩売っちまったしな…」

「…珍しくルルシーも食って掛かってましたね」

「…つい、な…」

うん。やっぱりついうっかりしちゃうことってあるよね。

「ルレイアのこと貶されてる気がして…」

それで我慢出来なくなっちゃったんだね。

「俺の為に、ありがとうございます」

「…ごめん」

「良いですよ。主に喧嘩売ったの俺ですし」

ルルシーが謝ることじゃない。

「とりあえず…今回はお互い様だな」

「そうですね」

似た者夫婦ということで。はい。

それにしても。

「あれだけ派手に真っ向勝負仕掛けたんだから、絶対目ぇつけられましたよね」

「そりゃつけられてるだろ。お前はただでさえ、その界隈では『有名人』なんだから、すぐに身元も割られるよ」

いやん。

モテる男は辛いなぁ。

で、それ以上に問題なのが。