The previous night of the world revolution5~R.D.~

帝国騎士団が公然に『天の光教』を処罰しない一番の理由が、それなのだ。

「…?どゆこと?」

ちょっと、話についてこれてないアリューシャ。

アリューシャに法律の話は難しいだろうな。

後でアイズに頼んで、絵本にしてアリューシャに説明してもらおう。

「大衆はいつだって、『正義の味方』に味方します」

テレビアニメのヒーローが、何故子供達に称賛されると思う?

彼らが、「正義の味方」であるからだ。

「『天の光教』は、その『正義の味方』なんです。貧しい人が増えている今、贅沢を許すな、平等にしろという主張は、そんな彼らにとっては心を打つものです」

アリューシャが言った通り。

自分が今日食べるものに困っているときに、帝都では、やれライブだ、やれ遊園地だ、やれブランド品だ、そんなものにうつつを抜かしてる奴がいたら、どう思う?

許せないだろう。同じ人間なのに、どうしてこんなにも差があるのか。

理不尽に思うだろう。自分は食うや食わずの生活をしているのに、奴らは贅沢をしている。

同じ立場だったら、俺も許せないだろうと思う。

資本主義が行き詰まれば、社会主義に憧れる。

社会主義に行き詰まれば、資本主義に憧れる。

歴史なんて、国家なんて、大抵がそんなもんだ。

そしてずっと資本主義だったルティス帝国は、不況の波に煽られて、社会主義的な思想が出て来始めている。

『天の光教』が、その典型。

『天の光教』は貧しい者の味方だ。

生活に困り、精神的に余裕をなくした者は、神にすがる。

自分より大いなる者の存在にすがり、心の安寧を求めようとする。

宗教は、貧しい者の味方だ。

だからこそ、帝国騎士団も手出しが出来ないのだ。