「良いですよ。とは言っても、あくまで俺の私見が入っちゃうんですけど…」
「大丈夫だよ。聞かせて」
「分かりました」
俺も弁護士や裁判官ではないから、彼らがどう判断するのか、何を判断基準とするのか、そこまでは分からない。
過去の例を参照しようにも、このような例は今までにもなかった。
「行進や座り込みといったデモ行為は、基本的には罪には問われません。主義主張は自由ですからね。言いたいことがあれば、好きなことが言えます」
あいつらが、「王政反対!」とか、「帝国騎士団滅亡しろ!」とか言っても、それは言論の自由。
いや、言い過ぎると名誉毀損になるのだけども。
基本的には、言いたいことがあるなら、何でも主張出来る。
「…ごめんなさい、話の腰を折るようだけど…質問しても良い?」
シュノさんが、おずおずと手を上げた。
「はい。何でも聞いてください」
「私も詳しくないけど…。ああいうデモ行為って、事前に許可を得なきゃいけないんじゃないの?」
うん、凄く良い質問だ。
そして、答えに困る質問でもある。
「大人数で道路を封鎖をしたり、デモの規模が大きくなる場合は、事前に許可を得ないといけないことになってます。とはいえ…今回のデモは、どれも10人未満の小規模なデモです」
「規模が小さいから、許可は取らなくて良いってこと?」
「それに、この許可制がそもそも曖昧な規定なんですよ。極端な例ですけど、事前に『100人でデモします』って届け出ても、行進してる間に、デモに触発された住民が我も我もと加わって、気づけば何百人規模になっていた…なんてこともあります」
それで思っていた以上の大事になって、後になって、「おいお前ら、100人って言ったじゃねぇか」と責め立てたって。
「いや、自分らはあの人達知りませんし。あの人達が勝手についてきただけだし。顔も名前も知らないし」と、いくらでもしらばっくれることが出来る。
「これだって、平和なときの話ですよ。大きな政変が起きたときなんか、許可だの届け出だの、いちいち出す奴はいませんよ」
「…どういうこと?」
「そうですね…。例えばの話ですが、いきなり帝国騎士団が、以前の箱庭帝国の憲兵局みたいに、『今日からルティス帝国は独裁政治を敷くことにするから、全ての食糧、土地、その他私有財産は残らず国家に供出せよ』なんて言ったら、どうなると思います?」
まぁ、まずそんなことは有り得ないと思うけどね。
例え話として。
「…当然、皆反対するでしょうね」
その通り。
「すぐさま、抗議活動という名のデモが始まるでしょうね。町中の老若男女が包丁やハンマーを持って、王宮に大行進するでしょう。さて、そのときにいちいち、事前にデモ行為の許可を求めると思いますか?」
「…!」
そんな真面目で律儀な奴がいるもんか。
自分達の生活が今にも脅かされそうとしているのに、書類に署名して、住所書いて、デモするんで宜しくお願いします、なんて役所に届けるか?
お返事が来るまで家で良い子に待機、なんてしてられると思うか?
今、今日この瞬間の生活が危うくなりかけているのに。
許可が出るまで、悠長に待ってはいられない。
それに、もし許可が出なかったら、大人しく諦めると思うか?
有り得ない。
許可なんてどうでも良い。今すぐに持てる武器を持って、デモに参加する。
ルアリスだって、革命を起こしたとき、事前に憲兵局に「これから革命起こしますね」なんて宣言したか?
そんな間抜けな話があるものか。
「大丈夫だよ。聞かせて」
「分かりました」
俺も弁護士や裁判官ではないから、彼らがどう判断するのか、何を判断基準とするのか、そこまでは分からない。
過去の例を参照しようにも、このような例は今までにもなかった。
「行進や座り込みといったデモ行為は、基本的には罪には問われません。主義主張は自由ですからね。言いたいことがあれば、好きなことが言えます」
あいつらが、「王政反対!」とか、「帝国騎士団滅亡しろ!」とか言っても、それは言論の自由。
いや、言い過ぎると名誉毀損になるのだけども。
基本的には、言いたいことがあるなら、何でも主張出来る。
「…ごめんなさい、話の腰を折るようだけど…質問しても良い?」
シュノさんが、おずおずと手を上げた。
「はい。何でも聞いてください」
「私も詳しくないけど…。ああいうデモ行為って、事前に許可を得なきゃいけないんじゃないの?」
うん、凄く良い質問だ。
そして、答えに困る質問でもある。
「大人数で道路を封鎖をしたり、デモの規模が大きくなる場合は、事前に許可を得ないといけないことになってます。とはいえ…今回のデモは、どれも10人未満の小規模なデモです」
「規模が小さいから、許可は取らなくて良いってこと?」
「それに、この許可制がそもそも曖昧な規定なんですよ。極端な例ですけど、事前に『100人でデモします』って届け出ても、行進してる間に、デモに触発された住民が我も我もと加わって、気づけば何百人規模になっていた…なんてこともあります」
それで思っていた以上の大事になって、後になって、「おいお前ら、100人って言ったじゃねぇか」と責め立てたって。
「いや、自分らはあの人達知りませんし。あの人達が勝手についてきただけだし。顔も名前も知らないし」と、いくらでもしらばっくれることが出来る。
「これだって、平和なときの話ですよ。大きな政変が起きたときなんか、許可だの届け出だの、いちいち出す奴はいませんよ」
「…どういうこと?」
「そうですね…。例えばの話ですが、いきなり帝国騎士団が、以前の箱庭帝国の憲兵局みたいに、『今日からルティス帝国は独裁政治を敷くことにするから、全ての食糧、土地、その他私有財産は残らず国家に供出せよ』なんて言ったら、どうなると思います?」
まぁ、まずそんなことは有り得ないと思うけどね。
例え話として。
「…当然、皆反対するでしょうね」
その通り。
「すぐさま、抗議活動という名のデモが始まるでしょうね。町中の老若男女が包丁やハンマーを持って、王宮に大行進するでしょう。さて、そのときにいちいち、事前にデモ行為の許可を求めると思いますか?」
「…!」
そんな真面目で律儀な奴がいるもんか。
自分達の生活が今にも脅かされそうとしているのに、書類に署名して、住所書いて、デモするんで宜しくお願いします、なんて役所に届けるか?
お返事が来るまで家で良い子に待機、なんてしてられると思うか?
今、今日この瞬間の生活が危うくなりかけているのに。
許可が出るまで、悠長に待ってはいられない。
それに、もし許可が出なかったら、大人しく諦めると思うか?
有り得ない。
許可なんてどうでも良い。今すぐに持てる武器を持って、デモに参加する。
ルアリスだって、革命を起こしたとき、事前に憲兵局に「これから革命起こしますね」なんて宣言したか?
そんな間抜けな話があるものか。


