「…?どうした?」
やって来たのは、『青薔薇連合会』の末端構成員だった。
俺の派閥の部下じゃないから、名前は知らないが。
顔くらいは見たことがある。
8名の所属している派閥は、それぞれバラバラだった。
ルルシーの派閥の構成員が代表として、ルルシーのもとにやって来たようだが。
後ろにいるのは、それぞれアイズの部下、アリューシャの部下、そしてシュノさんの部下だった。
大半が俺のハーレム会員から構成されている俺の派閥と、まだ幹部に就任して間もなく、部下が多くないルリシヤの派閥の部下は、いなかった。
派閥がバラバラの構成員が一同に会して、一体何事だ。
大体、末端構成員が何故、直接幹部の部屋にやって来る。
普通は、連絡係や緊急事態でもない限り、末端構成員が幹部の部屋を訪ねることは皆無と言って良い。
何か奏上したいことがあるときは、まずは準幹部…華弦やルヴィアさんを通して、準幹部から幹部に伝えに来るのが慣例だ。
わざわざ末端構成員が徒党を組んで、なんの用だ。
「…お願いがあります」
彼らは、緊張で顔を固くして、ガチガチと歯を震わせんばかりに口を開いた。
「何だ?」
「…我々8名は、『青薔薇連合会』を離反しようと思っています」
「…」
…ほう。
これには、さすがのルルシーも驚きを隠せなかったようで、目を見開いていた。
成程、ルヴィアさんを通さず、直接俺達に言いに来た訳だ。
ルヴィアさんにそんなこと言えば、「馬鹿なこと言うな」と一喝され、絶対に取り次いでもらえなかっただろうから。
「…お前達、何考えてる」
ルルシーは驚きを隠し、冷静な口調で尋ねた。
ルルシーの恩情だな。
『青薔薇連合会』のみならず、マフィアにとって、組織を裏切ることは、すなわち死を意味する。
「離反したい」などと言い出せば、すぐさま撃ち殺されても文句は言えない。
それなのに、ルルシーは即撃ち殺さず、理由を聞くことにしたらしい。
優しいじゃないか。
俺なら即刻首を落としてたな。
ま、俺の派閥の構成員は、ほぼ俺のハーレム会員だから、離反したいなんて言い出すことは有り得ないのだが。
「『青薔薇連合会』を出て、何処に行くつもりだ」
「…足を洗って、真っ当に生きていくつもりです」
「そんなことが出来ると思ってるのか」
一度闇に染まった人間が、光の世界で生きていけると思ってるのか。
俺は無理だね。
絶対無理。
世間が許しても、自分の魂が許さない。
それなのに。
「…出来ます」
彼らは、はっきりとそう答えた。
「何を根拠に?」
「『天の光教』の偉大な教えが…俺達の罪を、許してくださるからです」
「…は?」
ルルシーは思わず、そんな返事をしてしまった。
俺も、同じ気持ちだった。
何言ってんだ、こいつは。
「俺達は『青薔薇連合会』を出て、『天の光教』の敬虔な信徒として生きるつもりです」
「『天の光教』だと…?」
足を洗って、真っ当に生きていたいと言うなら、まだ分からなくもない。
いつだって光の世界は眩しくて、その眩しさに惑わされることもあるだろう。
だが、同じ光でも…宗教の光とは、どういうことだ。
何故、ここで『天の光教』の名前が出てくる。
「…どうやら、インチキ宗教の甘言に騙されてるようですね」
俺は、一歩前に出た。
こいつらは俺の部下ではないのだから、俺がでしゃばるのは間違いかもしれないが。
それでも、敢えて言わせてもらおう。
やって来たのは、『青薔薇連合会』の末端構成員だった。
俺の派閥の部下じゃないから、名前は知らないが。
顔くらいは見たことがある。
8名の所属している派閥は、それぞれバラバラだった。
ルルシーの派閥の構成員が代表として、ルルシーのもとにやって来たようだが。
後ろにいるのは、それぞれアイズの部下、アリューシャの部下、そしてシュノさんの部下だった。
大半が俺のハーレム会員から構成されている俺の派閥と、まだ幹部に就任して間もなく、部下が多くないルリシヤの派閥の部下は、いなかった。
派閥がバラバラの構成員が一同に会して、一体何事だ。
大体、末端構成員が何故、直接幹部の部屋にやって来る。
普通は、連絡係や緊急事態でもない限り、末端構成員が幹部の部屋を訪ねることは皆無と言って良い。
何か奏上したいことがあるときは、まずは準幹部…華弦やルヴィアさんを通して、準幹部から幹部に伝えに来るのが慣例だ。
わざわざ末端構成員が徒党を組んで、なんの用だ。
「…お願いがあります」
彼らは、緊張で顔を固くして、ガチガチと歯を震わせんばかりに口を開いた。
「何だ?」
「…我々8名は、『青薔薇連合会』を離反しようと思っています」
「…」
…ほう。
これには、さすがのルルシーも驚きを隠せなかったようで、目を見開いていた。
成程、ルヴィアさんを通さず、直接俺達に言いに来た訳だ。
ルヴィアさんにそんなこと言えば、「馬鹿なこと言うな」と一喝され、絶対に取り次いでもらえなかっただろうから。
「…お前達、何考えてる」
ルルシーは驚きを隠し、冷静な口調で尋ねた。
ルルシーの恩情だな。
『青薔薇連合会』のみならず、マフィアにとって、組織を裏切ることは、すなわち死を意味する。
「離反したい」などと言い出せば、すぐさま撃ち殺されても文句は言えない。
それなのに、ルルシーは即撃ち殺さず、理由を聞くことにしたらしい。
優しいじゃないか。
俺なら即刻首を落としてたな。
ま、俺の派閥の構成員は、ほぼ俺のハーレム会員だから、離反したいなんて言い出すことは有り得ないのだが。
「『青薔薇連合会』を出て、何処に行くつもりだ」
「…足を洗って、真っ当に生きていくつもりです」
「そんなことが出来ると思ってるのか」
一度闇に染まった人間が、光の世界で生きていけると思ってるのか。
俺は無理だね。
絶対無理。
世間が許しても、自分の魂が許さない。
それなのに。
「…出来ます」
彼らは、はっきりとそう答えた。
「何を根拠に?」
「『天の光教』の偉大な教えが…俺達の罪を、許してくださるからです」
「…は?」
ルルシーは思わず、そんな返事をしてしまった。
俺も、同じ気持ちだった。
何言ってんだ、こいつは。
「俺達は『青薔薇連合会』を出て、『天の光教』の敬虔な信徒として生きるつもりです」
「『天の光教』だと…?」
足を洗って、真っ当に生きていたいと言うなら、まだ分からなくもない。
いつだって光の世界は眩しくて、その眩しさに惑わされることもあるだろう。
だが、同じ光でも…宗教の光とは、どういうことだ。
何故、ここで『天の光教』の名前が出てくる。
「…どうやら、インチキ宗教の甘言に騙されてるようですね」
俺は、一歩前に出た。
こいつらは俺の部下ではないのだから、俺がでしゃばるのは間違いかもしれないが。
それでも、敢えて言わせてもらおう。


