満員電車。



夕飯近くになり、明日はみんな学校ということで解散することにした。



私と裕也は同じ方向だから一緒に帰った。


柚眞は中学からだけど、裕也とは小学校からの付き合い。


家がすごく近いわけじゃないから、幼なじみってほどではないけど。


「でも元気そうでほっとしたわ。励ましてやろうと思ってたのに」


裕也は心配してくれてたんだ。


なんか嬉しい。


髪染めたのには驚いたけど。


中身は変わってない。
性格は昔のまま。

『ありがと』


私は珍しくお礼を言ってみた。


普段言わないから照れる。


「ゆっ、柚眞が心配だ心配だって言うからよ」


裕也も照れてるのかな。


でも本当に柚眞も心配してくれてるんだと思う。


二人の優しさが身に染みる。


明日から頑張る力になる。


そうこうしてるうちに私の家に着いた。


『ばいばい。先生に怒られても泣いちゃだめだよ〜』


「もし泣いたら胸を貸してくれ。じゃな」


貸したくないな〜


でも泣くところは見てみたいかも。

昔は泣き虫だったのに…

最後に裕也が泣いたのを見たのは

いつだっただろう?

映画の感動的なシーンでも泣かないからな〜あの人。