「何これ、、、わたしはもっとシンプルなベッドシーツが良かった。」
わたしはそう独り言をこぼしながら、ベッドに身を投げた。
でも、マットレスの寝心地は悪くない。
わたしはベッドから起き上がると、一階へと下りて行った。
一階では、リセが夕食の準備に取り掛かっていた。
「今日は何作るの?」
わたしはそう訊きながら、リセが楽しそうに動き回るキッチンへと入って行った。
「今日はビーフシチューとポテトサラダを作りますよ。」
「リセが作るポテトサラダ大好き!」
「ありがとうございます。」
わたしはリセが料理する姿を少し眺めてから、リビングのソファーに座り、バッグから最近読み始めた小説を取り出した。
「新しい小説ですか?」
「うん、こないだ買ったばっかり。」
「人気がある小説なんですか?」
「分かんない。新刊コーナーのところにあって、気になったから買ってみた。」
「誰の小説ですか?」
「冴木詞雨って人。」
そんな話をしながら、わたしはしおりを挟んであるページを開き、そこからまた読み始めた。
そして、リセは夕食の準備を終えると、「また明日伺いますね。」と言い、帰宅して行った。
基が帰って来るまでこの広過ぎる家に一人。
広くて静か過ぎて、まだ全然慣れなかった。



