そんなことばかり考えるようになり、夜もなかなか寝付けなかった。
次の日、いつもなら読んでいる小説も放ったらかしにして、わたしはリビングのソファーに座り、ぼんやりしていた。
すると、ダイニングテーブルを拭くリセが「こころ様、何かあったんですか?」と声を掛けてきた。
「えっ?」
「先程からずっと、ぼんやりお庭を眺めているので。」
庭を見ているつもりはなかったが、リセには庭を見ているように見えていたらしい。
「、、、ねぇ、リセ。」
「はい。」
「本当のわたしって、何だろう?」
わたしがそう言うと、ダイニングテーブルを拭く手を止め、「急にどうなさったんですか?」と言った。
「昨日ね、基と話してて、、、分かり合っていきたいって言われたの。でも、、、その前にわたし自身が、わたしのことをよく分かってないなぁって思って、、、。」
リセはわたしの言葉を聞き、わたしのそばに近付いて来ると、わたしの隣に座り、わたしの手を取った。
「基様、そんなこと言ってくださったんですね。」
「うん、、、自分自身のことがよく分からないって言ったら、一緒に見つけていこうって言ってくれた。」
「そうでしたか。こころ様のお相手が基様で良かったです。」
リセはそう言って微笑むと、「では、基様に甘えて、一緒に見つけていけばいいじゃないですか。小さい頃からこころ様の事を見てきている基様なら、きっと見つけるきっかけを作ってくださるはずですよ?」と言った。
「きっかけ、、、」
わたしはそう呟くと、リセは「大丈夫です。二人なら、見つけられます。」と言い、わたしの手をギュッと握りしめた。



