「恋愛ってなんだと思う?」
コイツはいきなり何を言い出したんだ。放課後の2人の時間。部活終わりから最終下校時刻までくだらないことを話して帰る。彼はいつも抽象的な質問をしてくる。答えたら呆れたような顔をしたり、笑ってくれるのが見たくて必死に考えることも、この時間が1日の楽しみだなんてこともきっと知らないと思う。
「恋は下心、愛は真心って言うじゃん?その二つが合わさるとか訳わかんないんだけど」
私はいつものように頭をフル回転させて考えを答える
「私は恋は落ちること、愛は育むことだと思う恋は好きな人に落ちるから下に心があって、愛は好きな人と育てていくものだから真ん中に心があるんだと思うその二つができる相手とするのが恋愛」
そういうとやっぱり彼は私の好きな顔で笑うんだ。
「抽象的で分かりにくい解答をどうもありがとう」
イタズラな顔して言う
「お前はいつ俺に落ちてくれる?」
…え…それはつまりそういうこと?なら答えは決まってる。
「もう、落ちてるよ。あの日から」
あの日彼が私に気づいてくれた時から、助けてくれた時からこの時間をくれた時から私は君に落ちてるよ。
「俺、お前と恋愛してみたい」
ああ、きっと他の人にされたら嫌なはずなのに好きな人にされるとこんな告白も嬉しく思うんだ。きっとこの告白は一生忘れられない。
あの日君に出会えて良かった。