馬渕くんが出るというフェスのお誘いを2日後に控えていた今日。
毎日眠るにも眠れず、なんだかそわそわとしていた。
みわに馬渕くんのフェスのことを伝え、一緒に行こうと誘った。
そして今日の放課後に洋服を買いに行こうということになった。
気合入りすぎみたいでどうかと思ったけれど、汚く見えるよりはいいよね極端な話…
ついでに今日の放課後はみわのお兄ちゃんがご飯を奢ってくれることになっている。
最高に楽しみだ!!
しかし私には大きな問題が一つ残っている。
解決させて、少しでも気持ちが良い状態でフェスを見に行きたいと思った。
「……ドウシヨウ」
滅多に来ることのない3年生の階まで足を進めた。
以前、佐藤先輩から告白をしてもらったのだけど、ちゃんとお返事をしなければと思ったのだ。
…そう思ったものの、そういえば何組かも知らないということに気付いて頭を抱えた。どうしたものか。
やっぱりみわに一緒についてきてもらえばよかったかも。
階段の踊り場でオロオロしていると、その動きを不審に思ったのか、心優しい方が後ろから声をかけてくれた。
「…どうしたの?誰か探してる?」
「あ、あの…。…!」
そしてここへきてもう一つ最大な問題に気付く。
佐藤先輩の下の名前がわからん!!!
「あ、あの~…佐藤先輩は…」
「はは、佐藤なんてたくさんいるよ。んー、ちょっと待ってて?」
うわぁ…すごい恥ずかしい…3年生の階でやらかしてしまった…
おっしゃる通り、佐藤さんなんてめちゃくちゃいる。そういう私も鈴木だわ。
変な奴認定されちゃったらどうしよう…
そうこうしているうちに先程の先輩が呼びに戻ってくれたらしく、ひょこっと顔を出した人物を見て私はひっくり返りそうになった。
「ん?俺?どしたのー?」
「!?!?!?」
違う違う違う!!佐藤は佐藤だけど!!
天先輩じゃないー!!!
「や、あの、佐藤天先輩ではなくてですね…!」
「あれ?呼び出される佐藤って言ったら大体コイツだと思ったんだけど…違ったんだ。ごめんね!」
「あ!!わかった!!キミもしかしてハルトの!?!?」
天先輩が大声でそんなことを言うから、その辺を歩いていた3年生の先輩方の視線がこちらに集まる。
ずいぶん前に“めんどくさそうな先輩”と勝ってに失礼なことを言っていた私自身が、今それを実感している。
お願いだから大きな声出さないでください…!!
ていうか、あの佐藤さんはハルトさんっていうのかあ……って、
「じゃあキミが恵都ちゃんだ!?蓮助と同じクラスの!!」
「あ、えっと、はい…」
え、ちょっと待って、何で私の名前を知ってる?馬渕くん情報?佐藤ハルト先輩情報?
軽くパニックになっていると、天先輩はその場で大きな声で“ハルト~!!”と大きな声で呼び出した。
天先輩お願いです、もう大声はやめてください、みんなこっち見てるぅ!!!
「…あ、どうも、」
「ど、どうも…こんにちは」
相も変わらず爽やかそうな雰囲気を漂わせる佐藤ハルト先輩は、申し訳なさそうにこちらに歩いてきて、周りの空気を察して場所を変えようと連れ出した。
人の気配のないところまで来るやいなや、佐藤ハルト先輩はさらに申し訳なさそうに言った。
「この前は突然あんなこと言い逃げしちゃってごめん。困ったよね」
「あ、いえ…その、」
「返事、しに来てくれたんだよね?」
きっと、この佐藤ハルト先輩はすごく優しい人なんだと思う。
雰囲気がそう言っている。
きっと、優しくて気の利いた素敵な人なんだろうと思う。
でも、
「はい、えっと…お気持ちは本当に嬉しいです。ありがとうございます。けど、すみません…お付き合いは、できません」
「…そっか。うん。ありがとう。もしかして付き合ってる人とか、いる?好きな人とか」
今まさに私の頭にはその“好きな人“の顔が浮かんでいて、顔を思い出すだけで胸が高鳴ってしまうのだ。
顔が赤くなってしまうのをごまかす様に何度か頷くと、佐藤ハルト先輩はまた切なそうに、“そっか”と呟いた。
毎日眠るにも眠れず、なんだかそわそわとしていた。
みわに馬渕くんのフェスのことを伝え、一緒に行こうと誘った。
そして今日の放課後に洋服を買いに行こうということになった。
気合入りすぎみたいでどうかと思ったけれど、汚く見えるよりはいいよね極端な話…
ついでに今日の放課後はみわのお兄ちゃんがご飯を奢ってくれることになっている。
最高に楽しみだ!!
しかし私には大きな問題が一つ残っている。
解決させて、少しでも気持ちが良い状態でフェスを見に行きたいと思った。
「……ドウシヨウ」
滅多に来ることのない3年生の階まで足を進めた。
以前、佐藤先輩から告白をしてもらったのだけど、ちゃんとお返事をしなければと思ったのだ。
…そう思ったものの、そういえば何組かも知らないということに気付いて頭を抱えた。どうしたものか。
やっぱりみわに一緒についてきてもらえばよかったかも。
階段の踊り場でオロオロしていると、その動きを不審に思ったのか、心優しい方が後ろから声をかけてくれた。
「…どうしたの?誰か探してる?」
「あ、あの…。…!」
そしてここへきてもう一つ最大な問題に気付く。
佐藤先輩の下の名前がわからん!!!
「あ、あの~…佐藤先輩は…」
「はは、佐藤なんてたくさんいるよ。んー、ちょっと待ってて?」
うわぁ…すごい恥ずかしい…3年生の階でやらかしてしまった…
おっしゃる通り、佐藤さんなんてめちゃくちゃいる。そういう私も鈴木だわ。
変な奴認定されちゃったらどうしよう…
そうこうしているうちに先程の先輩が呼びに戻ってくれたらしく、ひょこっと顔を出した人物を見て私はひっくり返りそうになった。
「ん?俺?どしたのー?」
「!?!?!?」
違う違う違う!!佐藤は佐藤だけど!!
天先輩じゃないー!!!
「や、あの、佐藤天先輩ではなくてですね…!」
「あれ?呼び出される佐藤って言ったら大体コイツだと思ったんだけど…違ったんだ。ごめんね!」
「あ!!わかった!!キミもしかしてハルトの!?!?」
天先輩が大声でそんなことを言うから、その辺を歩いていた3年生の先輩方の視線がこちらに集まる。
ずいぶん前に“めんどくさそうな先輩”と勝ってに失礼なことを言っていた私自身が、今それを実感している。
お願いだから大きな声出さないでください…!!
ていうか、あの佐藤さんはハルトさんっていうのかあ……って、
「じゃあキミが恵都ちゃんだ!?蓮助と同じクラスの!!」
「あ、えっと、はい…」
え、ちょっと待って、何で私の名前を知ってる?馬渕くん情報?佐藤ハルト先輩情報?
軽くパニックになっていると、天先輩はその場で大きな声で“ハルト~!!”と大きな声で呼び出した。
天先輩お願いです、もう大声はやめてください、みんなこっち見てるぅ!!!
「…あ、どうも、」
「ど、どうも…こんにちは」
相も変わらず爽やかそうな雰囲気を漂わせる佐藤ハルト先輩は、申し訳なさそうにこちらに歩いてきて、周りの空気を察して場所を変えようと連れ出した。
人の気配のないところまで来るやいなや、佐藤ハルト先輩はさらに申し訳なさそうに言った。
「この前は突然あんなこと言い逃げしちゃってごめん。困ったよね」
「あ、いえ…その、」
「返事、しに来てくれたんだよね?」
きっと、この佐藤ハルト先輩はすごく優しい人なんだと思う。
雰囲気がそう言っている。
きっと、優しくて気の利いた素敵な人なんだろうと思う。
でも、
「はい、えっと…お気持ちは本当に嬉しいです。ありがとうございます。けど、すみません…お付き合いは、できません」
「…そっか。うん。ありがとう。もしかして付き合ってる人とか、いる?好きな人とか」
今まさに私の頭にはその“好きな人“の顔が浮かんでいて、顔を思い出すだけで胸が高鳴ってしまうのだ。
顔が赤くなってしまうのをごまかす様に何度か頷くと、佐藤ハルト先輩はまた切なそうに、“そっか”と呟いた。
