ーー
昨日の夜、馬渕くんから“明日委員会決めあるけど、鈴木さん何やる?”とメッセージアプリで聞かれた。
別に今回入らなくてもいいんだろうけど、何か入っておいた方があとあとやらずに済むし、内申的にもよさそう。
なおかつ一番楽そうな美化委員あたり入っておけばいいかな~。
なんてことを何も考えずに馬渕くんに返したら、“了解”という返事が来た。
「………」
それがどういう了解なのかは自惚れでなければ私でもなんとなく意味がわかったけど、返事を送るときはもう少し考えて送ろうと思った。
それと同時に少しだけ胸のあたりがキュッとなって、何かに期待している自分がいる気がして、それは気のせいだと言い聞かせて布団を被った。
「では、委員会決めます」
次の日。
クラス委員長が教壇に立ち、副委員長が黒板に委員会を書き出す。
そこそこ委員会の種類があるけれど、やっぱり名前とイメージ的に美化委員が一番楽そうだ。
委員会の決め方は至って単純で、同じ委員会に何人か立候補する人がいた場合、じゃんけんで勝った人がその委員になれる。
私が中学生のときは美化委員が一番楽で人気だったから、きっと美化委員の倍率やばいだろうと覚悟した。
「次、美化委員やりたい人―?」
「はいっっ!!!」
………
え、あれ?なんでみんな手挙げないのぉ…???
ちょっと気合い入れて挙手をしてみたものの、ざっくり周りを見回すと誰も手を挙げてなかった。
「お、あっさり決まった。じゃあ鈴木さんと馬渕くんで決定ね」
「え?」
そろりと彼の席の方へ顔を向けると、小さく手を挙げていた。
そして私にしかわからないくらいにニコリと微笑みかけたのだ。
ああもう!!!あの顔苦手なんだってば!!!心臓に悪いんだってば!!!!!
私の隣の席に座る女の子から“ラッキーだね!”なんて言われたけど、笑って返すしかなかった。
そして放課後。
今日はみわとショッピングをして、そのままカフェに入ってケーキを食べていた。
「ねえ、何でみんな美化委員に手挙げなかったの?」
「え?あんな大変な委員会誰も入りたがらないっしょ…」
「え、ちょ、嘘でしょ??」
「ホント。担当の先生がめちゃめちゃ細かいらしくて、結構めんどくさいんだって。有名だよこれ」
うわぁ…何その情報知らない…中学生のときのイメージのままだったけど違うの!?
いや…今までも委員会決めなんて何回かやってるけど、どの委員会が何やってるかも詳しいことは知らなかった…
むしろ私だけ何も知らなかったんじゃないだろうか。
あんな気合い入れて自信たっぷりに挙手した自分がクラスメイトにどう映っただろう…。
「でもさー、バブちと一緒じゃん!よかったねえ?」
「ウッ」
「打合せでもした~?」
「いや…したというかなんというか」
あれを打合せというのか疑問だけど、彼は私みたいに何も知らないなんてことはないはずだし、この委員会がめんどくさいものだとわかっていたはず。
それなのに手を挙げるなんて。
「えー何―!?すごいいい感じじゃん!早く付き合っちゃえばいいのに!!」
「え…む、無理だってば…」
「ふーん??」
言葉にしなくても、みわにはもう私の気持ちはお見通しのようだ。すごくニヤけてる。
ずっとずっと、毎日24時間馬渕くんのことばかり考えては胸が苦しくなる。
これは魔術だと思い込むように必死だったけれど、
こういうのが好きっていう気持ちで、こういうのが恋っていうんだろう。
馬渕くんが本当に私のことを好いてくれているのであれば、
自分の気持ちを認めてしまった今、なおさらどう接すればいいのかわからなくなってしまった。
自分の気持ちに気づいてから委員会が一緒なんて、私の心臓が持たないだろう。いい加減つらい。
このカフェでずっと食べたかったはずのチョコレートケーキの味がよくわからない。
昨日の夜、馬渕くんから“明日委員会決めあるけど、鈴木さん何やる?”とメッセージアプリで聞かれた。
別に今回入らなくてもいいんだろうけど、何か入っておいた方があとあとやらずに済むし、内申的にもよさそう。
なおかつ一番楽そうな美化委員あたり入っておけばいいかな~。
なんてことを何も考えずに馬渕くんに返したら、“了解”という返事が来た。
「………」
それがどういう了解なのかは自惚れでなければ私でもなんとなく意味がわかったけど、返事を送るときはもう少し考えて送ろうと思った。
それと同時に少しだけ胸のあたりがキュッとなって、何かに期待している自分がいる気がして、それは気のせいだと言い聞かせて布団を被った。
「では、委員会決めます」
次の日。
クラス委員長が教壇に立ち、副委員長が黒板に委員会を書き出す。
そこそこ委員会の種類があるけれど、やっぱり名前とイメージ的に美化委員が一番楽そうだ。
委員会の決め方は至って単純で、同じ委員会に何人か立候補する人がいた場合、じゃんけんで勝った人がその委員になれる。
私が中学生のときは美化委員が一番楽で人気だったから、きっと美化委員の倍率やばいだろうと覚悟した。
「次、美化委員やりたい人―?」
「はいっっ!!!」
………
え、あれ?なんでみんな手挙げないのぉ…???
ちょっと気合い入れて挙手をしてみたものの、ざっくり周りを見回すと誰も手を挙げてなかった。
「お、あっさり決まった。じゃあ鈴木さんと馬渕くんで決定ね」
「え?」
そろりと彼の席の方へ顔を向けると、小さく手を挙げていた。
そして私にしかわからないくらいにニコリと微笑みかけたのだ。
ああもう!!!あの顔苦手なんだってば!!!心臓に悪いんだってば!!!!!
私の隣の席に座る女の子から“ラッキーだね!”なんて言われたけど、笑って返すしかなかった。
そして放課後。
今日はみわとショッピングをして、そのままカフェに入ってケーキを食べていた。
「ねえ、何でみんな美化委員に手挙げなかったの?」
「え?あんな大変な委員会誰も入りたがらないっしょ…」
「え、ちょ、嘘でしょ??」
「ホント。担当の先生がめちゃめちゃ細かいらしくて、結構めんどくさいんだって。有名だよこれ」
うわぁ…何その情報知らない…中学生のときのイメージのままだったけど違うの!?
いや…今までも委員会決めなんて何回かやってるけど、どの委員会が何やってるかも詳しいことは知らなかった…
むしろ私だけ何も知らなかったんじゃないだろうか。
あんな気合い入れて自信たっぷりに挙手した自分がクラスメイトにどう映っただろう…。
「でもさー、バブちと一緒じゃん!よかったねえ?」
「ウッ」
「打合せでもした~?」
「いや…したというかなんというか」
あれを打合せというのか疑問だけど、彼は私みたいに何も知らないなんてことはないはずだし、この委員会がめんどくさいものだとわかっていたはず。
それなのに手を挙げるなんて。
「えー何―!?すごいいい感じじゃん!早く付き合っちゃえばいいのに!!」
「え…む、無理だってば…」
「ふーん??」
言葉にしなくても、みわにはもう私の気持ちはお見通しのようだ。すごくニヤけてる。
ずっとずっと、毎日24時間馬渕くんのことばかり考えては胸が苦しくなる。
これは魔術だと思い込むように必死だったけれど、
こういうのが好きっていう気持ちで、こういうのが恋っていうんだろう。
馬渕くんが本当に私のことを好いてくれているのであれば、
自分の気持ちを認めてしまった今、なおさらどう接すればいいのかわからなくなってしまった。
自分の気持ちに気づいてから委員会が一緒なんて、私の心臓が持たないだろう。いい加減つらい。
このカフェでずっと食べたかったはずのチョコレートケーキの味がよくわからない。
