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昨日の帰り際、これから他校の彼氏とデートだと急いでいたみわを”5分でいいから!”と取っ捕まえて馬渕くんに告白されたことを話した。
自分ひとりじゃキャパオーバーすぎて、唯一一連の流れを知っているみわにどうしても話を聞いて欲しくて時間を作ってもらったのだけど、早口で出来事を話す私の顔を見るなりニヤニヤと笑い、
「え~!何!めっちゃいい感じじゃない!?」
「や、違うの、いい感じってそういうんじゃ・・・!」
「ごめん!!映画の時間間に合わないとヤバいからまたゆっくり聞くよ!!とりあえず、幸せになりなよ恵都!」
「わかったありがとう!・・・いや違!!!!」
みわのこういう楽観的でポジティブなところが大好きなんだ。
でも待って、ハッピーエンドで終わらせないでくれ。
いくらしんどくても明日はやってくる。
それでも不思議と学校に行く意思がある私はなんて意識高い真面目な学生なんだろうと自画自賛。
そして今日も教室ではみわに馬渕くんの話ができない。
同じ教室にいるってのもそうだし、わざわざ場所を変えてまで馬渕くんの話をするなんて、私が馬渕くんのことを意識しているみたいだし・・・。
ようやくお昼のチャイムが鳴って、今日こそ仁くんが作ってくれたお弁当を噛みしめて食べよう。
毎日帰ってから仁くんにお弁当の感想を聞かれるのに、あやふやな返事しかしてあげれていないのはさすがに悪いし失礼だ。
水筒を持ってくるのを忘れてしまったことを思いだしたので、お弁当を机の上に用意して、みわたちに自販機に行くことを伝えて、ひとり教室を出た。
自販機で飲み物を買っているときだった。
「あの、鈴木恵都ちゃん、だよね?」
「?はい」
私の名前を呼ぶ声が聞こえてそちらを見ると、背が高くてさわやかそうな男の人が立っていた。
・・・どちら様だろう。この方は私を知っているようだけど、私は初見だ。
胸元のバッジを見て、ひとつ上の先輩だとわかった。
「少しいいかな」
・・・え、何!?私何かした!?!?
恐る恐るついていくと、体育館の裏へ連れてこられる。
ちょっと待って体育館裏ってアレじゃん。
よくヤンキーがやるアレじゃん!?!?
待って待って、私本当に何かしました!?!?
こんなに爽やかそうな方なのに実はそういうキャラなの!?!?
「あの、俺、3年の佐藤ハルトって言うんだけど、」
「はっ、はい」
「ずっと前から、恵都ちゃんのこと、その・・・好きだったんだ」
・・・ゑ??
目の前にいる爽やかな佐藤なんとかさん(名前を聞く余裕がなかった)は、私みたいな女を見ながら顔を真っ赤にしている。
なんて物好きなんだろう。
あまりにも予想に反した展開に声を出すのも忘れていた。
ていうか直接告白されるなんて、この短期間で二回も。
私もしかして今モテ期か何かかなあ。
私の周りではメッセージアプリで告白するのが主流なのに、今はアナログが流行りなのかな。
そういえば私に告白をしてきた馬渕くんは、もっと余裕そうな表情だった気がする。
私があんなひどい返事をしてしまったというのに、なおも笑っていた。すごいな。
なんて、今目の前の状況をさておいて違う人のことを考えている私。
「あ、あの「返事、待ってるから、今すぐじゃなくていいから、じゃ!!!!」
・・・ゑ~~~・・・・
私が言葉を発しなかったのが完全に悪いんだけど、その場を走って立ち去った佐藤先輩は早口でその台詞を残していった。
ん、ちょっと待てよ?
私返事するためにまた呼び出さなくちゃいけないってことだよね?
連絡先なんてもちろん知らないし、だからって断るために連絡先を聞くわけにもいかない。
ちょっと佐藤先輩、お気持ちはありがたいんだけど、これはどうしたものか。
そして私はいい加減キャパオーバーすぎて頭がパンクしそうです。
「遅かったね、どこまで行ってたん?」
真っ直ぐ教室に戻り席へ直行した私にみわが声をかけた。
「あのさぁ、実は・・・」
すっごく小さな声で話す私に顔を寄せるみわと友人たち。
先程の出来事を手短に話すと、みわたちの驚いた声と一緒にクラスメイトの男子の黄色い声が聞こえてハッとした。
「まじか!!鈴木、3年の先輩に告られたん!?」
「ちょっ・・・!!!」
近くをたまたま通ったクラスメイトの男子に会話の内容を聞かれて、そしてそいつが大きな声でそんなことを言うもんだから、周りに居たクラスメイトがはやし立てるように騒ぎ始めてしまった。
私は反射的に廊下側の席に視線を向けると、無表情よりも無表情な馬渕くんと目が合ってしまった。
すぐさま目を伏せ立ち上がり、さっき来た道を戻った。
「トッ、トイレ!!!!!!」
もうダメだ、パンクする・・・!!!
膀胱じゃなくて、頭が。
昨日の帰り際、これから他校の彼氏とデートだと急いでいたみわを”5分でいいから!”と取っ捕まえて馬渕くんに告白されたことを話した。
自分ひとりじゃキャパオーバーすぎて、唯一一連の流れを知っているみわにどうしても話を聞いて欲しくて時間を作ってもらったのだけど、早口で出来事を話す私の顔を見るなりニヤニヤと笑い、
「え~!何!めっちゃいい感じじゃない!?」
「や、違うの、いい感じってそういうんじゃ・・・!」
「ごめん!!映画の時間間に合わないとヤバいからまたゆっくり聞くよ!!とりあえず、幸せになりなよ恵都!」
「わかったありがとう!・・・いや違!!!!」
みわのこういう楽観的でポジティブなところが大好きなんだ。
でも待って、ハッピーエンドで終わらせないでくれ。
いくらしんどくても明日はやってくる。
それでも不思議と学校に行く意思がある私はなんて意識高い真面目な学生なんだろうと自画自賛。
そして今日も教室ではみわに馬渕くんの話ができない。
同じ教室にいるってのもそうだし、わざわざ場所を変えてまで馬渕くんの話をするなんて、私が馬渕くんのことを意識しているみたいだし・・・。
ようやくお昼のチャイムが鳴って、今日こそ仁くんが作ってくれたお弁当を噛みしめて食べよう。
毎日帰ってから仁くんにお弁当の感想を聞かれるのに、あやふやな返事しかしてあげれていないのはさすがに悪いし失礼だ。
水筒を持ってくるのを忘れてしまったことを思いだしたので、お弁当を机の上に用意して、みわたちに自販機に行くことを伝えて、ひとり教室を出た。
自販機で飲み物を買っているときだった。
「あの、鈴木恵都ちゃん、だよね?」
「?はい」
私の名前を呼ぶ声が聞こえてそちらを見ると、背が高くてさわやかそうな男の人が立っていた。
・・・どちら様だろう。この方は私を知っているようだけど、私は初見だ。
胸元のバッジを見て、ひとつ上の先輩だとわかった。
「少しいいかな」
・・・え、何!?私何かした!?!?
恐る恐るついていくと、体育館の裏へ連れてこられる。
ちょっと待って体育館裏ってアレじゃん。
よくヤンキーがやるアレじゃん!?!?
待って待って、私本当に何かしました!?!?
こんなに爽やかそうな方なのに実はそういうキャラなの!?!?
「あの、俺、3年の佐藤ハルトって言うんだけど、」
「はっ、はい」
「ずっと前から、恵都ちゃんのこと、その・・・好きだったんだ」
・・・ゑ??
目の前にいる爽やかな佐藤なんとかさん(名前を聞く余裕がなかった)は、私みたいな女を見ながら顔を真っ赤にしている。
なんて物好きなんだろう。
あまりにも予想に反した展開に声を出すのも忘れていた。
ていうか直接告白されるなんて、この短期間で二回も。
私もしかして今モテ期か何かかなあ。
私の周りではメッセージアプリで告白するのが主流なのに、今はアナログが流行りなのかな。
そういえば私に告白をしてきた馬渕くんは、もっと余裕そうな表情だった気がする。
私があんなひどい返事をしてしまったというのに、なおも笑っていた。すごいな。
なんて、今目の前の状況をさておいて違う人のことを考えている私。
「あ、あの「返事、待ってるから、今すぐじゃなくていいから、じゃ!!!!」
・・・ゑ~~~・・・・
私が言葉を発しなかったのが完全に悪いんだけど、その場を走って立ち去った佐藤先輩は早口でその台詞を残していった。
ん、ちょっと待てよ?
私返事するためにまた呼び出さなくちゃいけないってことだよね?
連絡先なんてもちろん知らないし、だからって断るために連絡先を聞くわけにもいかない。
ちょっと佐藤先輩、お気持ちはありがたいんだけど、これはどうしたものか。
そして私はいい加減キャパオーバーすぎて頭がパンクしそうです。
「遅かったね、どこまで行ってたん?」
真っ直ぐ教室に戻り席へ直行した私にみわが声をかけた。
「あのさぁ、実は・・・」
すっごく小さな声で話す私に顔を寄せるみわと友人たち。
先程の出来事を手短に話すと、みわたちの驚いた声と一緒にクラスメイトの男子の黄色い声が聞こえてハッとした。
「まじか!!鈴木、3年の先輩に告られたん!?」
「ちょっ・・・!!!」
近くをたまたま通ったクラスメイトの男子に会話の内容を聞かれて、そしてそいつが大きな声でそんなことを言うもんだから、周りに居たクラスメイトがはやし立てるように騒ぎ始めてしまった。
私は反射的に廊下側の席に視線を向けると、無表情よりも無表情な馬渕くんと目が合ってしまった。
すぐさま目を伏せ立ち上がり、さっき来た道を戻った。
「トッ、トイレ!!!!!!」
もうダメだ、パンクする・・・!!!
膀胱じゃなくて、頭が。
