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NA:
ロランス王子が16歳になった時、ヨーロッパ中の王族の子息が集まるブリアン・リオネール大国の王国大学へ行った。フロリアーナは別れて寂しかったけれど、ロランス王子は2年でやめて、予定より早く帰ってきた。
そのことでは国王から恥知らずとひどく叱られたようだけれど、フロリア―ナはうれしかった。
もしかしたら、自分に会いたくて、早く帰ってきてくれたのではないかと思ったから。 案の定、王子は白い馬を飛ばしてすぐに会いに来てくれた。
ロラン「ただいま」
フロ「(うれしそうに)ロランス、お帰りなさい」
ロラン「ぼく、学校を逃げだしてきたんだ」
フロ「どうして」
ロラン「勉強がきつすぎる。ついていけないんだ」
フロ「そう」
ロラン「がっかりしないのかい」
フロ「うれしいの。また一緒に、遊べると思って」
NA:
ふたりは馬を並べて、いつもの丘まで走った。
ロラン「リア―ナ、会いたかったよ」
フロ「わたしも」
NA:
その時、ロランスが熱いキスをくれた。唇にキスなんて初めてだから、フロリア―ヌは夢の世界に漂った。
それから、そんな熱い日々が続くのかと胸を躍らせたが、期待どおりにはいかないものだ。その時がまるで、嘘みたいに、二度とキスがなかった。
フロ「なぜかしら。キスの返し方が下手すぎたのかしら。それとも、わたしがまだ15歳で、恋をするのには、幼なすぎるからなのかしら」
NA:
ディミトリン王国の王族はたいてい18歳から20歳の間に婚約をする。
ロランス王子は19歳になり、フロリアーナは17歳になった。だから、いつ申し込まれるのかと会うたびにどきどきしていたが、王子は20歳になる直前の冬の終わりに、突然、ファブリス公国の17歳のラファエラ女王との婚約を発表した。
フロ「ロランスにかぎって、そんなこと、あるはずがないわ。一言も言ってくれないなんて」
NA:
ロランス王子の婚約のニュースの後、フロリア―ナはベッドから起き上がることができなかった。
この世で一番不幸な女子だと思い、暗い日々を暮らしていた時、ブリアン・リオネール大国のジャン・バスチアン第一王子から、会いたいという申し込みがあった。 彼は知勇兼備の王子として知られている23歳で、彼が次の王になれば、さらに勢力圏は拡大するだろうと、他国から恐れられている。
そのジャン・バスチアン王子が、明日、フロリアーナの屋敷を訪ねてくるのである。
NA:
ロランス王子が16歳になった時、ヨーロッパ中の王族の子息が集まるブリアン・リオネール大国の王国大学へ行った。フロリアーナは別れて寂しかったけれど、ロランス王子は2年でやめて、予定より早く帰ってきた。
そのことでは国王から恥知らずとひどく叱られたようだけれど、フロリア―ナはうれしかった。
もしかしたら、自分に会いたくて、早く帰ってきてくれたのではないかと思ったから。 案の定、王子は白い馬を飛ばしてすぐに会いに来てくれた。
ロラン「ただいま」
フロ「(うれしそうに)ロランス、お帰りなさい」
ロラン「ぼく、学校を逃げだしてきたんだ」
フロ「どうして」
ロラン「勉強がきつすぎる。ついていけないんだ」
フロ「そう」
ロラン「がっかりしないのかい」
フロ「うれしいの。また一緒に、遊べると思って」
NA:
ふたりは馬を並べて、いつもの丘まで走った。
ロラン「リア―ナ、会いたかったよ」
フロ「わたしも」
NA:
その時、ロランスが熱いキスをくれた。唇にキスなんて初めてだから、フロリア―ヌは夢の世界に漂った。
それから、そんな熱い日々が続くのかと胸を躍らせたが、期待どおりにはいかないものだ。その時がまるで、嘘みたいに、二度とキスがなかった。
フロ「なぜかしら。キスの返し方が下手すぎたのかしら。それとも、わたしがまだ15歳で、恋をするのには、幼なすぎるからなのかしら」
NA:
ディミトリン王国の王族はたいてい18歳から20歳の間に婚約をする。
ロランス王子は19歳になり、フロリアーナは17歳になった。だから、いつ申し込まれるのかと会うたびにどきどきしていたが、王子は20歳になる直前の冬の終わりに、突然、ファブリス公国の17歳のラファエラ女王との婚約を発表した。
フロ「ロランスにかぎって、そんなこと、あるはずがないわ。一言も言ってくれないなんて」
NA:
ロランス王子の婚約のニュースの後、フロリア―ナはベッドから起き上がることができなかった。
この世で一番不幸な女子だと思い、暗い日々を暮らしていた時、ブリアン・リオネール大国のジャン・バスチアン第一王子から、会いたいという申し込みがあった。 彼は知勇兼備の王子として知られている23歳で、彼が次の王になれば、さらに勢力圏は拡大するだろうと、他国から恐れられている。
そのジャン・バスチアン王子が、明日、フロリアーナの屋敷を訪ねてくるのである。
