タチアオイの君。

角を曲がった瞬間、絶句した。花壇の前に女の子が立っていたのだ。僕は咄嗟に角に隠れる。

今日は僕が当番の日じゃなかったか?いや、あんな子は園芸部にいなかったはず。部員は僕含めて3人だし、顔は覚えている。少し見覚えがあるような気がするが、きっと僕の気のせいだろう。

まあ、水やりしないと帰れないのでとりあえず水やりをしよう。話しかけられなければ大丈夫。話しかけられたら…適当に話せば大丈夫。そう僕に言い聞かせてリュックをその場に置き、ジョウロに水を入れて花壇に近づく。