すべての愛を君だけに。


ちぇー、あんまり話せなかったな…。


肩をガクッと落として落ち込む。






「比嘉さん、帰ろ」






天ヶ瀬くんの言葉にうん、と返事をして机の上を片付けてカバンになおす。


1階まで一緒に降りて、靴に履き替える。


校門を出た所で天ヶ瀬くんにじゃあねと手を振るつもりだったのに。






「送るよ」


「え?」


「駅まで送る」






そう言ってくれたから一緒に駅まで行くことに。


駅までの道、天ヶ瀬くんといろいろ話した。
中学の時のこと、部活のこと、趣味のこととか。


天ヶ瀬くんと話してると楽しくて、いつの間にか駅に着いていてまだ時間があればいいのに。