そう言って首に腕を回したわたしの耳元で歩ちゃんが笑う声が聞こえた。 また会いたい。 もしそれが叶わなくても、きっとずっとわたしにとって歩ちゃんは特別な存在。 わたし達はまた、唇を重ねた。 何も…忘れないよ。 絶対に、歩ちゃんの事…忘れない。 「ほら、もう行け」 「…っ」 そう言い、私の両肩に手を置いた歩ちゃんによって、くるっと背を向けさせられた。 もう…歩ちゃんの姿は見えない。 振り返ろうとするわたしに。 「振り返るな…」 「歩ちゃんっ」 「振り返ったら…行かせたく無くなるから…っ」