すべての愛を君だけに。


絶対絶対…忘れられない後悔になる。


そんなのは嫌だ。






「絶対…、絶対帰ってくるから…」


「……っ」


「歩ちゃんに…会わせてっ」






少し悩むようにお母さんは俯く。


…ゆっくり…ゆっくり、掴まれていた手の力が抜け、お母さんの手は離れていった。






「…お母さん、ありがとう」






わたしはそう言ってエスカレーターに乗る。


1階には今からチェックインをしようとする人たち、待機する人たちなどでごった返していた。


だけど絶対見つけられる気がしていた。


…どこ?
歩ちゃん…どこに行ったの。


すれ違いざまにドンッと知らない人の肩にぶつかる。






「…ごめんなさい…っ」