すべての愛を君だけに。


たくさんの人が行き交い、みんながみんなこれから待つ旅に楽しそうな顔をしている。


わたしの気持ちは複雑。


もう帰ってくることがないと分かっているから。


もっとたくさん…楽しいことしとけばよかったな。






「……では、パスポート確認させていただきますね」






チェックインカウンターではお父さんがチェックインをしているところ。


わたしとお母さんは少し離れたところでキャリーケースを持って手続きが終わるのを待っている。


…この3週間。
すごくすごく早かったな…。


仕事を片付けてわたしたちを迎えに来たお父さんはいつも通りにわたしに接してくれてた。


何事も…なかったかのように。