兄貴に怒鳴られたって、殴られたって、縁を切られたっていい。
今会わないと…きっとこの先ずっと今日のことを後悔して生きていくくらいなら。
怒鳴られたり、殴られたり、縁を切られる方が方がマシだ。
「今からでも間に合いますよ、望月先生」
「……ありがとう」
施錠した車のロックを解除し、運転席に乗り込む。
シートベルトをしてエンジンをかけたところで、窓を開け湯川に声をかけた。
「湯川も行くか?」
「行きません。わたしは先生と違って雨には会いに行けば会えるので」
「…傷つく言葉ありがとう」
「それに、わたしが行ったら邪魔になりますし。…殴ったこと謝りませんから」


