なにも話せないでいるわたしに歩ちゃんはゆっくりと話をしてくれた。
『あの日、うちのクラスの生徒が体調悪いって保健室に行ったから様子見に行ってたんだ。本人は大丈夫そうだったから授業に行かせたんだけど…金城先生と少し話すことになって』
「……うん」
『話をして、でも俺も仕事あったから出ようと思ったら突然……。そこに雨が来て…』
じゃあ…歩ちゃんは別に沙織先生のことが好きとかどういう事じゃなくて…。
沙織先生からだったってこと…?
なんだ…なんだ、そうだったんだ…。
「よかった…っ」
『ん?』
「わたし…歩ちゃんがやっぱり沙織先生のこと好きなのかと思って…」
『…バカ』
「バカって!酷すぎる!」
『雨が好き』
「…っ」


