目の前が霞んで歩ちゃんの顔は見えない。
…ごめんね
自分勝手に想いを伝えてごめんね。
わたしが言わなければ、歩ちゃんはわたしの想いに気づかずにいれたのに。
でも知って欲しかった
わたしが歩ちゃんを好きなこと。
「お母さんたちと一緒に海外に行かなかったのも、頑張って勉強してこの高校に入学したのも、全部歩ちゃんが好きだから…離れたくなかったからっ」
「比嘉…」
「嬉しかったの、歩ちゃんの傍にいれるのが。…それだけでよかったのに、歩ちゃんが…っ、沙織先生と一緒にいるの見て……すごく苦しくて…、だから昨日休んだの」
涙が頬を伝うと霞が取れて歩ちゃんの顔がよく見えた。


