「えっ?」
走り出そうとしたところで後ろにぐいっと腕を引かれ、さっきぶつかった人に目を合わせられる。
すごい、イケメン……。
一瞬、そう思ってぼんやりとしてしまうが、自分の汚い顔を見られたくなくてすぐにしたを見る。
それにしてもすごく綺麗だったな。
さっき一瞬見えた姿を思い出す。
誰もが見とれてしまうような凄い美しい容姿。
印象的な髪と瞳は暗闇みたいな漆黒で、華やかな顔立ちを引き立てている。
こんなに綺麗な人、存在するんだ……。
「これ」
イケメンさんに声をかけられ、はっと我に返る。
そのまま私のほうにすっとなにかが握られた手をだす。
