世界はそれを愛と呼ぶ




(ああ、ダメだな。疲れてるのか、変な事ばかり考える)

編入日まで、あと一週間ほど。
その間に出来ることはやっておこうと手配をしつつ、近づいてくる月に1回の忌み夜に、気が滅入ってるのか。

何か気分転換、と考えて、相馬はため息を零した。
仕事のことしか頭に浮かばない自分にげんなりして、どうしようかと考えていると。

「─あれ?相馬だ」

ニコニコと、笑顔の沙耶と鉢合わせた。

「?、なんか嬉しそう?」

口角が上がった頬に触れると、擽ったそうにしながら。

「うん。前に、地下で見つかった秋の子?いたでしょ?」

「ああ、うん」

「正式に手続き出来たから、学校に編入することになったんだ」

「そう」

「それでね」

友達が出来たとか、今度お買い物行くとか、そんな、普通の女子高校生が楽しむことを経験出来ることを喜んでいる姿はあまりにも眩しくて。

「─相馬のおかげだよ、ありがとう」

そう言って笑った姿を見て、相馬の心の澱も溶けていく。
─でも、少しテンションは高すぎる気がするので。

「それはこちらこそ。でもな、沙耶、その為には少し休むぞ」

「え?」

「熱があるだろう。─何か進展でも?」

婚約を結んだあの日から、沙耶の目には見えなくても、沙耶の傍には必ず誰かが控えるようにしている。
勿論、沙耶にも許可を得ているが、沙耶本人からは見えないため、沙耶は普通に生活を楽しんでいた。

そんな彼女らの報告からは特に、異変はなかった。
だから、他のことで無理をしたのかと心配していると。