世界はそれを愛と呼ぶ




「あのふたりがまた、喧嘩できる距離に戻って良かったよ。……本人の記憶はいつも曖昧だが、月島の存在は妹をこちらの世界に連れ戻す存在だから」

「いつも……?」

「まあ、こっちの話だ。─ほら、生徒会長!新入生を案内途中だ。お怒りは分かるが、一旦収めてやんな」

明らかに線を引いて、担任は彼女達に声をかける。

「そいつ、だいぶ家で絞られてるから」

「……っ」

「隠し事のオンパレードだろ?」

担任の視線を受けて、沙耶は気まずそう。

「な?」

担任に強制的に止められた生徒会長は、深くため息をつくと、沙耶を抱き締めて。

「……私が知らないところで死ぬなんて、絶対に許さない。今度、もし何も言わないで消えたら、地の果てまで探し出して、黄泉までも追ってやるからね」

「ヒェ……」

「沙耶がいなかったら、私は生きていないの。沙耶がいなくなるなら、自分をいなかったことにするなら、私はそれを追いかける。あなたがいなかった世界で、私が生き残っているはずがないんだから」

強い意志の宿った目を見て、沙耶は息を呑む。

「……ごめんなさい」

「うん」

柚香は微笑み、和解した二人を見て、担任は

「やべーだろ、うちの生徒」

と、ケラケラ笑った。