世界はそれを愛と呼ぶ



勿論、自己紹介を含め、彼女には難しいだろう。
相馬が代わりに紹介するか…?と、悩んでいると。

「えっと、私はフェリーチェ。沙耶のひいおじいちゃんの弟の曾孫よ」

「…………は」

すごく、たどたどしい日本語で落とされた爆弾。
相馬も現状はよく分からないから、何も言えないでいると、

『相馬〜!私の言葉、訳してくれない?無理無理。全部、日本語で説明できる気がしない〜!』

と、服の裾を掴んで頼ってきた。
別に構わないが、その内容は相馬が聞いていいのかと問うと、フィーも健斗さん達も拒絶することなく。
仕方がないので、相馬は翻訳の役目を承った。

『えっと、私は幼い頃に家族が惨殺され、今の両親─マフィアボスとその妻に引き取られたんだけど、そのふたりの娘がね、ユイラさんの生みの親なの』

『セイラさんというのだけど、彼女は若い頃にこっちに来てから行方不明になって、骨すら戻ってきてないの。それで、セイラさんのお母様が西園寺家の最後の令嬢、西園寺麗良(レイラ)なんだけど、彼女は敵対グループ?に父親を殺されて、陥れられて、実験施設……あの廃墟で暫く過ごしていたんだけど、そこに事件前から親しくしていた彼が来て、彼と一緒に国外逃亡、今に至るらしいの』

『話がめちゃくちゃでごめんなさい。─あ、でも、麗良さんには使用人が一人いたんだって。その廃墟で敵が行ったのは、永遠の命と素晴らしい人間を生み出すこと。その為に人間の血を抜いたりとか、してたって。その実験体で選ばれた子達を救うために動いていたんだけど、ギリギリのタイミングで見つかって。麗良さんは使用人と、実験体で使用人と恋人になっていた子に逃がされて、逃げたって……』

『あ、あとね、使用人が生きていたら、見つけ出して欲しいって言ってたな……あ、沙耶から連絡がいって驚いていたけど、沙耶、藤島雷紀さんのお母様と瓜二つなんだって。えっと、その方と麗良さんは親友で、その方が亡くなったあとの後釜が最悪で、諸悪の根源って言ってた。沙耶を恨んでいるとしたら、そいつだろうって。その人の家が、西園寺家を没落に追い込んだって……』

─……めちゃくちゃで、今の情報がメディアに流れれば、それはそれは、大騒ぎになるだろう。