「繰り返すが、後悔はしていないよ。自分の罪を綺麗事にするつもりは無いが、あの人は母に会えただろう。母は父を地獄の入口で待つような女だったし、─……でも、まぁ、母が亡くなったあの日、共に泣くことが出来れば、俺はこんな生き方をしていないだろうな」
そう話し終えた健斗さんを、ユイラさんは強く抱き締め、健斗さんは驚きながらも、その愛を受け入れる。
そして、大樹さんは、
「特殊といえば、確かに特殊だが、俺が知る限り、幾つも実例はあるし、健斗さんは何を持って、“まさか”と言ったのか、俺は理解ができないんだが」
と、首を傾げた。
「言われてみれば……」
─大体、相馬は想像がついた。
思考回路が同じなのか、というか、権力を一定に持っていると、思いついてしまう最悪最低なことなのか。
「……消したんでしょう。柏原家を」
健斗さんは、泣くユイラさんをなだめていた。
だから、相馬が代わりに告げた。
すると、大樹さん達は思いつかなかったらしく。
「出来るのか、というより、そんなことが有り得るのか」
「有り得ます。それに、田舎で、いくら有権者の街とはいえ、極道だった家は、中でもずば抜けていたでしょう。消しようはいくらでもあります。彼女を完全に閉じ込めて、死んだことにすれば良いのだから」
─自分でもやばいことを言っている自覚はあるが、相馬の幼い頃の記憶には、伯父と健斗さんが話していた内容が残っている。
『俺、小学も中学も行った記憶が無い』
─それが、全ての答え合わせ。


