世界はそれを愛と呼ぶ



「─怪しいのはわかるけどね。嘘はついてないよ」

「嘘とは思わないよ。だって、俺、嘘ついたらわかるからね」

困った顔をするイトに、柚琉が微笑む。

「君が、御巫統にルーツがあるなら、俺が1番、君に近い親戚かも」

「そーなの?」

「うん。俺はね、御巫統の2番目の夫人のルーツだよ」

「あ、それは近いね」

「でしょ」

人当たりのいい笑顔で、お互いににこにこして話すふたりは楽しそうに。

「お話しよう。イトくん」

「イトでいいよ」

「そう?じゃあ、君も柚琉と呼んで」

「わかった」

柚琉は一度、彼を連れて戻るつもりらしい。
そこでどれだけの情報を引き出せるか次第で、物事は酷く回り始めるかもしれない。

(もっとも、相馬様がどこまで見通しているかにもよるけど……)

ひとまず、この場に捕らえられている人で自力で動ける人を探すべく、綺羽はひとつひとつの牢屋を見回ることにした。