世界はそれを愛と呼ぶ



「任せて。この施設に入り込んだのは、たまたまだったけど……育ての親である父さんとは連絡取り続けて自主的にここにいただけだから、施設については詳しいんだ」

「自主的にって……なんで」

「ん〜、本当のお母さんの為?」

「……」

「俺、誰かのしょうもない欲望で、不幸になってやる気は無いんだ」

御園家と四季の家にルーツがある家など、限られている。
御園家直系の方々のように家に縛られることはなくても、御園家の血を持つものは全員、御園家にて、きちんと書物に記されているのが基本である。

何故なら、隔世遺伝などで鬼の能力や、姫の能力が顕現した際、すぐに保護出来るように。
その安全性の面から決まった期間は、知らぬ間に監視がつくようになっていたりする。

綺羽は、四季の家代表者の責任をもって、その人々の名前や家族構成などは頭に入れている。
しかし、目の前の彼のような年頃は─……。

「─あ、多分、御園家の書物に、俺の存在は無いよ。俺が父さんに聞いた話だけど、俺の曽祖父は御巫統。御園相馬の祖父の弟さん、だったか?」

「統さまって……」

曽祖父が、御巫統?
あの方に、こんなに大きな曾孫が出来る?

年齢的にはまだ人間の常識範囲内で、年齢の割にはピンピンとしている方だが……。

「第一夫人が、俺の曾祖母。生まれた祖父は高校に入らずに行方不明になり、その先で婚姻、俺の本当の父さんは生まれたらしい。因みに、祖母も母も、何なら、義父である父さんも、みんな四季の関係者だよ」

明るくて、子供っぽい人柄かと思えば。
ニッ、と、そんなふうに笑う姿は……。

「あ、俺、今は17歳ね。顔が幼く見えない?童顔ってよく言われるんだよ〜」

17歳……それなら、計算上はおかしくない気はするが、それ含め、最高傑作とは。