世界はそれを愛と呼ぶ

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─ふと目を覚ますと、部屋は真っ暗だった。

正直、夕方か夜くらいだろう……なんて思いながら、スマホを開くと、通知欄に陽向さんからの謝罪が見える。

アプリを開くと、相馬が行っている沙耶に関するアクションへの疑問、そして、茉白に流れる血と訪れかねない未来の話、その解消法など、全てを説明しておいたという、長いメッセージが入っていた。

そして、文末にまた謝罪。
そんなに激しく怒っただろうかと思いながら、陽向さんに『気にしないでください。こちらも言い過ぎました』と返信し、そろそろ起き上がろうとしたところで、沙耶の腕に力が篭もる。

少し横になるはずだったのに、つい本気で寝てしまった。
沙耶は未だ夢の中で、なのに、気が付かないうちに相馬に絡みつくように寝ている。

幼子が人形を抱き締めて寝ているようだなと思いつつ、このままだと、沙耶の腕が痺れ続けるだけだと思い、相馬は沙耶を自分の上に抱き上げた。

「……んぅ……」

少し身動ぎしたものの、また眠りにつく沙耶の頭を何となく撫でながら、背中をポンポンと叩く。

安心しきった顔で寝ている姿は、可愛い。

そんな沙耶の温もりのせいか、静かすぎる真っ暗な部屋のせいか、相馬は欠伸をしてしまう。

別に寝不足でもなかったはずだが、あまりにもこの時間は心地が良く、朝から起きたくないとごねる陽向さん達を思い出して、納得して。

「……まぁ、もう少しいいか」

相馬は誰に答えを求めるでもなく、独り言ちて。
再び、瞼を下ろした。